わが国の科学の危機的状況を訴える 黒木登志夫 新内閣が発足したとき、鳩山総理は、「教育力・研究力を強化し、科学技術の力で、世界をリードする」と述べました。私たちはこの言葉を大変心強く思ったものでした。鳩山内閣には、いわゆる理系の閣僚が4人もいることもあり、新政権の科学技術政策に大いに期待しておりました。 ご承知のように、この2週間の行政刷新会議による事業仕分けは、それとは全く逆の方向に進んでおります。公開で行われた事業仕分けにおいて、科学に全くの素人の人たち、科学の本質を理解しない自称科学者たちによって、ほとんどすべての科学プロジェクトに対して、「廃止」、「見送り」、「予算3分の1削減」、などの乱暴な判断が次々に出されたのです。ネイチャー誌は、オンライン版で、日本の科学の危機を速報しました。 対象は、すべての科学政策と分野に及んでいます。スーパーコンピュータは、もう日本では開発できないこと