・キャラ化する/される子どもたち―排除型社会における新たな人間像 著者によると、子供たちが恐れているのは、経済的な格差ではなくて、人間関係の格差だという。そして格差をつけない「優しい関係」を維持するために"キャラ"がある。ボケとツッコミのような役割をバーチャルに身にまとうことで、自分を守り、人間関係を安定させるのだ。 「若い人たちは、グループのなかで互いのキャラが似通ったものになって重なり合うことを、「キャラがかぶる」と称して慎重に避けようとします。それは、グループ内での自分の居場所を危険にさらすからです。しかし、グループ内に配分されたキャラからはみ出すことも、また同時に避けようとします。それもグループ内での自分の居場所を危険にさらすからです。一般に、芸人の世界はボケとツッコミの相補関係で成り立っていますが、彼らもまた、ボケ役とツッコミ役のように互いに補完しあうキャラを演じることで、人間関