山■パン高井戸工場あんぱん班班長として、毎日毎日、あんぱんの上にケシの実を付ける作業をこなし、夜勤明けに薄汚い東池袋のアパートに戻ってきて、合成酒「鬼殺し」(4リットル580円(税込み))を汚れたガラスコップで飲み、薄くなった頭を両手でパチパチ叩きながら「俺の将来どうなるんだろう… 勤務時間短縮を言い渡されたけど、リストラ?」と、呟きながら天井を見上げる日々。オケラ荘の天井を元気よく駆け抜けるネズミが唯一の友だちだ(気分は小公女セーラ)。 隣に住んでいるリーさん夫妻(ともに50代)は午前中にも関わらず、獣のようなよがり声をあげながらセックスをしている。あ、ついつい右手が股間に…… 憂鬱・憂鬱・憂鬱・あんぱん・不安・不安・不安・あんぱん・死・死・死 「働けば自由になる」と言うが、いったい何から自由になったのだろう? 希望がないと人間は生きていけない。 ああ、オレは死ぬしかないのか。でも自殺は