少子化を克服した先進国のモデルケースとなったフランス。そこには、母親であること以上に「女性であること」が尊重される社会通念があった。英紙記者の赤裸々体験ルポ。 息子のルカが生まれてから3日ほど経った頃、かわいい看護師が病室にやってきて私のベッドの上に一枚の紙切れを置いていった。 「それは何なの?」 近くの椅子で背筋を伸ばして赤ん坊にお乳を与えようと格闘していた私はとまどいながら尋ねた。すると彼女は意味深な微笑を浮かべ、甘い声でこう囁いた。 「セ・プール・ヴォートル・マリ」 私の夫のためのものだというのだ。 その紙切れは「骨盤底リハビリ」という名で知られるフランスの伝統的な産後ケアの処方箋だった。この“リハビリ”とは、具体的にはどんなものなのか。 それを詳細に説明するのは、フランス人に比べるとあまりにもピューリタン的で生真面目な私には、まず無理な話だ。それはフランスの母親のほとんどが経験する
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