■新ユーラシア主義、ロシア宇宙主義、シリコンバレー 現代ロシア思想の一潮流を形成する極右思想、新ユーラシア主義を代表する哲学者にアレクサンドル・ドゥーギンがいる。ユーラシア主義によれば、ユーラシア大陸の他民族を包み込む受容性=帝国性こそがロシアの本質であるとされ、現にドゥーギンは旧ソ連領(ユーラシア)をロシアの勢力圏とする領土拡大志向の外交戦略を説いている。一方でドゥーギンは右翼であるにも関わらず(?)ポストモダニストを自称しており、1993年には元アングラ詩人であらゆる権威に反抗する作家エドゥアルド・リモーノフと国家ボリシェヴィキ党(NBP)を設立、そのパンクな反権力性によって当時の若者のサブカルチャーにおいて一定の支持を集めていた。 そんなドゥーギンだが、彼は意外にもアメリカにおけるオルタナ右翼とも近い位置にいる。「オルタナ右翼」という語の命名者としても知られる白人至上主義者リチャード