農環研ウェブ高座 「農業環境のための統計学」 第7回 「データのふるまいを数値化する:平均と分散」 前回は、データ解析における “視覚化” の重要性について論じました。私たちが誰でももっている認知能力を封印するのではなく、むしろそれをうまく使いこなすことにより、手元のデータがどのような挙動をするかを直感的に把握することができます。さまざまなグラフを利用した「データ視覚化」は最初の一歩です。しかし、いつまでもデータを見続けているだけでは、次の一歩を踏み出せないこともまた事実です。今回は、その「次の一歩」であるデータの挙動の “数値化” について説明しましょう。 ある実験を行なうとき、得られたデータはいろいろな要因によってばらつきます。実験処理がもたらすばらつきもあれば、背後に隠れた環境要因に起因するばらつき、さらには実験者による人為的ミスというばらつきもあるでしょう。データが示すこれらのばら