あなたが、隣人にどうしても馴染めないのなら、引越せばいい。しかし、昔の遊牧民ならいざ知らず、国は引越すことができない。どこかで、折り合いをつけるしかないのである。中国で過激な反日デモに遭遇した記者(著者)は問う。「日本のなかに根強くあった中国に対する『脅威論』と『崩壊論』に、無視を決め込む『消去論』までじわじわと広がる・・・『反日』のこぶしをふりあげて想像を超えた暴力を働く隣人を、頭と心から消し去ってしまいたくなる・・・だけど、それで良いのだろうか」と。そこで、著者は、二つのルールを決めて、インタビューを開始する。第一線で活躍している専門家でかつ中国の弱点を率直に話してくれる人、日本の専門家でない人。こうして、著者は19人(うち半分強は共産党員)のインタビューをなし終えた。本書は、その記録である。 読み始めて、正直なところ、びっくりした。要人にも係らず、あまりにも、率直な言説が次から次へと