東芝で、歴代3社長が同時辞任という事態に発展した「不適切会計」問題で、マスコミ報道は過熱している。「不適切」という言葉は、最近多用されるようになった、婉曲表現であるが、英語では"inappropriate"という形容詞または、"irregularities"という名詞が相当する。後者は、議会での野次を「不規則発言」ということにどこか共通性がある。そして不倫は「不適切な関係」と総称されて、何か難しいことを行っていることを想起させてくれるので楽しい表現である。一昔前であれば、この東芝の「事案」は、ずばり「粉飾決算」である。そしてこの「事案」というのも最近のはやりである。警官が汚職をすれば署長が、教え子がいじめ自殺をすれば校長が、「本事案」とその大事件を呼びかえるのである。 さて、日経新聞のコラム「春秋」が、「社長月例という会議で、社内カンパニーの長らに「チャレンジ」と称する過大な目標の設定が命