この記事は、「調性引力論 ❸ カーネルについて」までの内容を踏まえたうえで、これを歌モノのメロディではなくラップを素材にして論じるものです。ラップと関わりのない方は全く読まずに先へ進んでもなんら問題ありません。 1. ラップとピッチ感 ラップというのはそのフロウのバリエーションが非常に広く、ピアノの鍵盤で表現できるような“音階感”が全く想起されないような、言わば「喋り」に近いトーンでのラップもあれば、ほぼ歌モノと同じようなメロディラインを有しているものもありますね。それから本来は音階関係なしにラップしているのをオートチューンで音階状に均す場合もある。 基準となるピッチが見えるラップ 中には、“音階を見据えて歌っている感”をさほどリスナーには感じさせないけども、実際にはあるピッチを中心にフロウが動いているということがあります。いくつか実例で確認しますね。 BUDDHA BRAND – 人間発