企業向けコラボレーション・ツールは、社員のコミュニケーション強化と職場の透明性向上に役立つ。本稿では、コラボレーション・ツールの利用定着と導入効果の測定に取り組む出版社ランダムハウスの事例を紹介する。 電子メールだけでは ビジネス・ニーズを満たせない 毎年1万タイトル以上の書籍を発行している出版大手の米国ランダムハウスでは、情報の管理および共有と社員のコミュニケーション強化に役立つリアルタイム・ソリューションを必要としていた。同社のIT担当バイスプレジデントを務めるクリス・ハイアムズ・ハート氏は、「もう電子メールでは対応できない状況に陥っていた」と、当時の状況を振り返る。 「関係者に重要な情報を提供したいと思っても、電子メールではその用を果たせない場合が多い。例えば、営業部門がマーケティング部門に活動内容を知らせようとしても、メーリング・リストの全員がその情報を求めているとはかぎらない。