8月15日、終戦記念日とお盆の重なり 太平洋戦争における日本の“敗戦”から72年目を迎えた。 1945年(昭和20)8月15日の正午、ラジオから流れてきた天皇の玉音放送を聴いた日本人のほとんどは、立場の違いを超えて、この国の将来に不安を覚えたに違いない。 都市部の住民はとくに、度重なる空襲で疲弊していた。またこの時点では、広島と長崎に落とされた新型爆弾は被害の実態が明らかでなかったし、満州や沖縄も特有の事情を抱えていた。 私は7月に『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)という本を上梓した。この本の主要な部分は、WIRED.jpという WEBメディアに連載したもので、現在進行形の流行や風俗、最新のテクノロジーなどを、民俗学の視点から取り上げている。 終戦記念日に対する民俗学的関心で言えば、8月15日が、先祖供養の伝統行事である「お盆」と重なっていることはよく指摘される。ただし1873年、明