今から半世紀前に開業を果たした東海道新幹線は、在来線である東海道本線の輸送力が行き詰まったことから建設された、文字どおりの「新たな幹線」である。東海道新幹線開業前年の1963年10月当時、東京-大阪間には14本の特急列車が日中の時間帯に運転され、満員どころか定員オーバーとなる列車すら走っていた。建設に当たって、東海道新幹線はその必要性が問われたものの、現実には1964年10月1日の開業すら、遅きに失したといえるであろう。 山陽新幹線、東北新幹線の東京-盛岡間、上越新幹線も、在来線の各線の輸送力が限界に達した結果、建設されたものである。たとえば、上越新幹線開業前年の1981年6月の時点で並行する在来線に運転されていた昼行の特急列車は、大宮-高崎間で64本、高崎-新津間で38本、新津-新潟間で32本であった。これらのほかに特急列車の役割を補う急行列車、それに通勤、通学の足となる普通列車、さらに