多分、ちょっとグーグルで検索すれば、あるいは書店に足を運べば、本書の解説は幾千も見つかるに違いない。いや、解説などを読むよりも、以下の私の拙い書評を読むよりも、本書を直接読んでしまった方が有意義であろう。それでも、自分がなににどう感動したかを書きたい。書きたくてたまらない。 まず、本書の日下公人の解説で山本七平が4つの世界を持っていたという話に感動した。 ・日本人及び日本社会論の書き手としての世界 ・日本陸軍物語の語り手としての世界 ・聖書の専門家としての世界 ・山本書店店主としての世界 どれをとっても超一流の切れ味を持つ山本七平に比べることすらおこがましいが、以前から「修身済家治国平天下」という言葉を生き方の縦糸だと信じてきた私にとって、山本の4つの世界の発見は実に意味深い。特にいまこの時機にこのことと出会えたというのは実に稀有だ。いまの自分を肯定されたように感じる。 ちなみに、本来儒教