ヒット商品やヒットサービスが自社にはなかなか出ないと嘆く経営トップの悩みや、結果がなかなかついてこないことから焦燥感を感じている現場の原因は、実はいつの間にか社内にはびこった、行き過ぎた効率化の後遺症なのではないか。 ITを駆使する効率的経営を指向するあまり、せっかく生まれようとしているヒットの芽を摘み、ビジネスチャンスにチャレンジする気運が削がれているのではないか。 現在の日本の閉塞感の本当の原因は、見える化の行き過ぎが生む衆人環視から起こる「最適化の罠」にはまっていることなのではないか。 この連載コラム「ムダこそが大ヒットへの近道――最適化の罠」では、その罠にはまらなかった好例や、はまってしまった悪例を交えて論じることで、日本が元気になっていく智恵のひとつとして「最適化の罠」からの脱却を提言する。 第4回目のテーマは、2011年3月11日に発生した東日本大震災で、いち早く安否確認サイト