茲では、「現代仮名遣い」や其の改定前の「現代かなづかい」に対する批判を展開してみたいと思ひます。場合に依つては、少々過激な表現を使用しますので、豫め断つておきます。 基本原則に対する疑義 「現代仮名遣い」の基本原則は、「前書き1」に「語を現代語の音韻に従つて書き表すことを原則とし, 一方, 表記の慣習を尊重して一定の特例を設けるものである」と明記されてあります。「現代語の音韻」を書き表して欲しいとし乍も、「表記の慣習」を特例として持出して来てゐる処に矛盾があります。 又、改定前の「現代かなづかい」の「前書き」では、「大体、現代語音にもとづいて、現代語をかなで書きあらわす場合の準則を示したものである」とされ、「現代仮名遣い」で「表記の慣習」とされてゐる部分が「大体」の一語で片附けられてしまつてゐます。適当です。 本来、「現代語の音韻」を書き表すとすれば、「じ」「ぢ」「ず」「づ」の四つ仮名の書