戰前の文學作品や文獻の研究 普通、學校の國語の授業で古典や戰前の近代作品を學ぶ時、前者は新字舊假名、後者は新字新假名に書き改められたものを使つてゐる。 なるほど、これなら正字正假名を「苦勞しながら」讀んだりする手間が省けるかもしれぬ。 しかし、原文の持つ雰圍氣をもつと忠實に味はひたいといふのであれば、是非とも正字正假名で鑑賞してみると良いだらう。 文章をレトロ調に味付ける 数年前「おもひでぽろぽろ」と云ふ映畫があつた。 なぜ「おもいで」でなく「おもひで」なのか。 題名をレトロ調に味付けるためである。 このやうな使用法を時々見かけるやうになった。 特に「〜でしょう」を「〜でせう」と書く人は多いのではないだらうか。 言葉の美しさ 俳句や短歌の愛好家には、正假名遣ひで詠む人も結構多い。 しかし、そのやうな俳句や短歌を新假名遣ひに直すと、途端に元の作品の持つ言葉の美しさが半減してしまふ。