私自身、56歳で会社を早期退職し、2005年以来8年にわたり大手再就職支援企業で独立起業を目指す人々の支援に携わってきた。 これまで延べ1万2000人あまりを対象に、「独立起業支援セミナー」を開講するとともに、毎年、個別に30社を超える独立起業の支援を継続している。その経験を踏まえて、こうしたサラリーパーソンが早期退職した後の独立起業の実態を、3回に分けて報告する。 まずは、私がこの目で見てきた独立起業のトレンドを振り返ってみたい。 バブル崩壊から終身雇用制度の終焉へ 日本型経営の基礎にあったと言える終身雇用制度は、バブル崩壊(1992年)の後、数年を経て雇用を支え切れず崩壊した。 誘因として1995年に日本経営者団体連盟(現・日本経済団体連合会)が提言した「新時代の『日本的経営』」がある。その中で今後の企業・従業員の雇用に関する考え方を、3つのグループに分けて運用することを提言していた。