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ブックマーク / honz.jp (20)

  • 『本を売る技術』本屋における暗黙知がこの1冊に! - HONZ

    書店員の仕事にはマニュアルがなく、口伝や仕事を盗んで覚えるしかないと言われてきた。そんな中『を売る技術』というが売っていたので買ってみたところ、書には自分が書店員になったときに口伝で教わったことや、誰からも教わることなく、働いていた間にトライ&エラーを繰り返して、最適解だと思ってやっていた技術が書かれていた。書を読み終えたとき、書店員になったときに、このがあれば、あんなに苦労しなくても済んだのに!という思いが強く残った。 書店を辞めてから5年近くが経ち、だんだん書店員時代の記憶もうすれつつある。自分が書店員時代に見聞きした、書店における暗黙知のようなものが、書には論理的にまとめられていた。ここまで書店員の仕事を論理的に書いてあるはいままで見たことがない。とりあえず全書店員は書を教科書のように読んだらいいと思う。加えて、10年間書店員として働いていた際、自分が意識していたこと

    『本を売る技術』本屋における暗黙知がこの1冊に! - HONZ
  • 『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』 - HONZ

    伝記は文芸の分野の一つである。 一人の人物の生涯と事績を書くものだから、対象はそれに値する人でなくてはならない。 リットン・ストレイチーというイギリスの文人に『ヴィクトリア朝のエミネントな人々』という列伝の名著がある。取り上げられているのはマニング枢機卿、フローレンス・ナイチンゲール、教育家のトーマス・アーノルド、ゴードン将軍。 ここでぼくはエミネント(eminent 「高名な、卓越した、抜きん出た」)と原語で書いたが、邦訳では『ヴィクトリア朝偉人伝』とされる。そう、偉人なのだ。この四人について詳細に語る余裕はないから一人に絞るとしよう。ゴードン将軍はイギリスの植民地を守るのに功績のあった軍人で、中国で太平天国の乱の平定に力を尽くし、その後アフリカに転じてスーダンのマフディーの乱で戦死した。あくまでもヴィクトリア朝的な基準による偉人。 ここではストレイチーの例を挙げたが、イギリス人は格別に

    『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』 - HONZ
  • 『亜細亜熱帯怪談』前代未聞の新ジャンル!現代アジア怪談ルポルタージュの誕生 - HONZ

    見慣れた世界地図を、ちょっと視点を変えて色分けしてみると、思いも寄らない姿が浮かび上がってくることがある。たとえば「民主化」の度合いや「女性の社会進出」の進み具合で色分けすれば、欧米を中心にした国々を濃く塗りつぶすことになるだろうし、「政治的自由」の制限などを切り口にすれば、また違った国がクローズアップされるだろう。 では「霊」はどうだろうか? いや、唐突かもしれないが、別にふざけているわけではない。 霊とは文字どおり「心霊」や「幽霊」、「霊魂」や「精霊」のことである。 もしも、目に見えない「霊的なものへの感性」で世界地図を色分けしてみたら? おそらく東南アジア一帯は、色濃く塗りつぶされて浮かび上がってくるはずだ。 書はタイを中心に東南アジア一帯の怪談を集めたいっぷう変わったルポルタージュである。著者はもともと死体に興味があり、博物館に死体を見に行ったり、インドまで足を運び、ガンジス河の

    『亜細亜熱帯怪談』前代未聞の新ジャンル!現代アジア怪談ルポルタージュの誕生 - HONZ
  • 『少年ゲリラ兵の告白 ​陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』 - HONZ

    母は沖縄戦の体験者だった。このことが、ある意味ライフワークのように僕が沖縄にこだわる理由になったのだが、実のところ、母がその沖縄戦でどのような体験をしたのか、よくわからないままでいる。 沖縄戦について問うと、母は口を固く閉ざしてしまうからである。住人の4人に1人が亡くなった史上類例のない地上戦が展開された島には、その戦について語らない人たちが多い。「語らない」あるいは「語れない」理由はいうまでもない。戦がまだ夢に現れるほど可視的な過去であるために、心の傷が癒えないからである。 もう少し母の話を続けたい。米軍が沖縄島読谷村に上陸したのは1945年4月1日。来ならその年、彼女は沖縄県立第一高等女学校に入学する予定だったが、戦時教育措置によってすでに授業は停止され、上級生たちはほぼ1週間前の3月23日、南風原陸軍病院に看護要員として動員されていた。 いわゆる「ひめゆり学徒隊」である。学徒隊の

    『少年ゲリラ兵の告白 ​陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』 - HONZ
  • 『民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道』 民主主義が民主主義を殺す - HONZ

    世界各地の独裁政治を研究してきたハーバード大学教授である著者が、民主主義がどのように、そしてなぜ死ぬのかを追求する。著者はあらゆる場所、時代の民主主義が死んでしまった事例を紹介しながら、当たり前に享受している民主主義がいかに微妙なバランスのうえで成り立っているものなのかを教えてくれる。幅広いケースを考慮する書だが、議論のフォーカスはアメリカおよびトランプ現象に当てられいるので、日々伝えられるアメリカ政治の異常事態の意味がより良く理解できるようになるはずだ。米連邦最高裁判所判事にカバナーが選ばれたことがどれほどの意味を持つ事件なのかを思い知る。 民主主義が崩壊する瞬間といえば、銃を持った兵士や市民をなぎ倒そうとする戦車を思い浮かべるかもしれない。たしかに、アルゼンチン、ブラジル、ガーナやパキスタンのような冷戦時の民主主義崩壊の4分の3は、軍事力を用いたクーデターによってもたらされた。しかし

    『民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道』 民主主義が民主主義を殺す - HONZ
    mikanyama-c
    mikanyama-c 2018/10/13
    "密室での非民主主義的なやり取りが、民主主義を危険にさらすポピュリストや明らかに不適切な人物を除外することに成功していたのである。皮肉なことに、より民主的なプロセスがトランプを大統領にしたともいえる"
  • 【連載】『全国マン・チン分布考』第4回:女陰名+「する」だけが「性交する」ではない - HONZ

    放送禁止用語に阻まれた『探偵! ナイトスクープ』の幻の企画が、ついに書籍で実現。かつて『全国アホ・バカ分布考』で世間を騒がせた著者が、今度は女陰・男根の境界線に挑む! 第4回は「女陰名+「する」だけが「性交する」ではない」ことについて。『女陰語』+『する』の歴史は、実はけっこう浅かった!?(HONZ編集部) 第1回、第2回、第3回 女陰名+「する」だけが「性交する」ではない 歌島では、女陰名「オメコ」に「する」をくっつけて「オメコする」で、「性交する」という意味になります。これは「オメコ」の場、関西でも同じことです。東京でも「オマンコする」ですね。では、「マンジュー」や、「ボボ」の地域などでは、どう言うのでしょうか。これはきわめて興味深い問題と言わねばなりません。なぜなら、イヌやネコ、ウシ、ブタ、あるいはニワトリやトンボなどの場合は、「オマンコする」などとは言わずに、現代は「サカル」と言

    【連載】『全国マン・チン分布考』第4回:女陰名+「する」だけが「性交する」ではない - HONZ
    mikanyama-c
    mikanyama-c 2018/10/02
    「つるむ」は生き残ってるけどもはや現代語では性行為の意味合いは薄いよなぁ
  • 『やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記』 - HONZ

    わたしが作家・小松左京の名前を知ったのは、1964年のことである。 京都大学人文科学研究所(人文研)の助手として10年がすぎ、前年から1年間、アメリカのアイオワ州グリネル大学で交換教授として教え、帰国したばかりのころであった。アメリカ生活は3度目であったが、まるまる一年も日を離れたのは初めてで、帰国したときには一種の精神の空白状態。それを埋めるべく、誰かれつかまえては、この間に読むべきは出たか、必読書は何かとたずねてまわった。すると助手仲間の多田道太郎、樋口謹一、山田稔の各氏や謹厳な高橋和巳までもが異口同音に、小松左京という新進作家の長編小説『日アパッチ族』こそ必読書であるという。 さっそく買い求めて読んでみたが、たしかにおもしろい。人間が鉄をうという発想が奇抜だし、その設定を押しとおす腕力と図々しさ。山田稔が山田捻(ひねる)という名前で出てきたりもする。抱腹絶倒するとともに、こん

    『やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記』 - HONZ
  • 『ノモレ』未知の先住民イゾラドとの100年越しの再会 - HONZ

    知らないことを知りたい。見たことのないものを見たい。そういう好奇心がなくなったら、人生お終いだと思っている。しかし好奇心が生み出す無邪気さは、時に歓喜と絶望の両方を生み出す。そんなことを痛感させられる一冊だ。 かつてNHKスペシャルで放映された「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」を記憶されている方も多いことだろう。イゾラドとは、文明社会と未接触の先住民を言い表す総称である。アマゾン源流域、ブラジルとペルーの国境地帯に住むとされるイゾラドは、部族名や言語はもちろんのこと、今何人いるのかも分からない状態であるという。 番組では、素っ裸で弓矢を持つイゾラドに村人たちが接触する様子が映し出され、その光景には衝撃を受けた。この時に、チョイ役のような感じで登場していたロメウ。彼こそがイゾラドを理解するための重要なキーパーソンであり、書の主人公だ。 ロメウは、ペルーの先住民・イネ族の出身であった。

    『ノモレ』未知の先住民イゾラドとの100年越しの再会 - HONZ
  • 『「軍用地投資」入門』いろんな意味で掟破りな一冊 - HONZ

    ノンフィクションは一期一会、出会った時が買い時だ。いつか買おうなどと思っていても、きっと「いつか」は来ない。仮に来たとしても、既に書店には置いていなかったり、下手すると絶版になっていることもある。書はワケありなケースであるものの、今となっては入手することの困難な一冊である。 オビの「掟破りの不動産投資法」という文言が眩しいが、色々な意味で掟破りだ。沖縄島の県土の約8%とも言われる軍用地。これが投資家たちの手によって「金融商品」さながらに売買されているというのだ。この衝撃の実態を指南という形から伺い知ることが出来るのが、書『お金持ちはこっそり始めている 当は教えたくない!「軍用地投資」入門』だ。 軍用地とは、沖縄の米軍基地や自衛隊基地内の土地のことを指す。その約2/3は個人や、県、市町村の土地を国が借りる形になっている。一般的に不動産投資ではマンションなどを購入し、部屋を貸し出すこ

    『「軍用地投資」入門』いろんな意味で掟破りな一冊 - HONZ
    mikanyama-c
    mikanyama-c 2018/06/04
    あっこれが例の…
  • 『不合理だらけの日本スポーツ界』日大タックル問題はなぜ防げなかったのか - HONZ

    日大アメフト部による悪質タックル問題がいまだに世間を騒がしている。監督からの直接的指示の有無があったかが最初の焦点だったが、世の中の関心は日大の広報対応や会見の司会者の素性、過去のアメフト部内での暴力問題にまで飛び火した。 もちろん、今回の問題は監督やコーチの属性による部分も少なくないだろう。だが、一方で全てを個人の問題として捉えてよいのか。日の大学スポーツに構造的な問題が潜んでないのか。米スタンフォード大学でアメフトの指導に携わる著者の指摘は参考になるだろう。 書は問題が起きる前に発売されており、今回のような事態は当然ながら想定していない。明らかにプレーに関係ない選手の背中に突っ込む事態を想定する方が難しいだろうが、書を読むと、そうした事態が米国では指導者が間違っても起こそうと思わないことがわかる。厳罰が処せられるため、あまりにもリスクが大きいからである。では、なぜ厳罰が処せられる

    『不合理だらけの日本スポーツ界』日大タックル問題はなぜ防げなかったのか - HONZ
  • 『幻の惑星ヴァルカン』 それはいかにして「発見」され、いかにして葬り去られたのか - HONZ

    水・金・地・火・木・土・天・海・冥。かつてそう教えられた太陽系惑星のなかから、2006年に冥王星が除外されたことは記憶に新しい。だがじつは、19世紀後半にはそれら惑星候補のなかにもうひとつ別の名前が挙げられていた。書の主役は、その幻の惑星たる「ヴァルカン」である。 ヴァルカンはその生い立ちからして冥王星とは異なっている。というのも、そもそもそんな星は存在すらしていなかったからだ。では、存在しないものがいかにして「発見」され、そして最終的に葬り去られることになったのか。書は、その誕生前夜から臨終までを、関係する天文学者や物理学者にスポットを当てながら、ドラマ仕立てに描いていく。 ストーリーは、17世紀後半、ニュートン力学の登場から始まる。周知のように、その偉大なる体系は、惑星の運動を含む広範な現象の統一的説明を可能にした。いや、説明だけではない。驚くべきことに、その体系は未知の現象に対す

    『幻の惑星ヴァルカン』 それはいかにして「発見」され、いかにして葬り去られたのか - HONZ
  • 『祖国の選択 あの戦争の果て、日本と中国の狭間で』 - HONZ

    何という人生の数々だろうか――。 書を読みながら、思わず天を仰ぎたくなるように、何度もそう感じた。 著者の城戸久枝さんが「あの戦争」と呼ぶ70年前の時代の混乱の中で、祖国を自らの意志によって選ばなければならなかった6人の体験が、丁寧な聞き取りによって描かれていく。 冒頭で滔々と語られる小林栄一氏の半生を読み始めたときから、私はその「語り」の重みに一気に引き込まれた。彼は満州への開拓団に参加した両親のもとに生まれ、終戦時のソ連侵攻からの逃避行の最中に家族と生き別れたという。弟とは別々の中国人に引き取られ、7回も家をたらい回しにされる。差別的な扱いを受けて育ちながら、ほぼ独力で人生を切り拓き、日への帰国を果たす。 あるいは、同じく開拓団の1人として大陸に渡った富満ていこさんもまた、15歳でたった1人、中国に取り残される。彼女の語る敗戦後の逃避行は、自らの子供を親が手にかける光景が繰り広げら

    『祖国の選択 あの戦争の果て、日本と中国の狭間で』 - HONZ
  • 『『捨てられないTシャツ』Tシャツには、物語が溢れている - HONZ

    幼い頃、母親からTシャツは下着であると教えられた。当時、下着は断然、白のランニング派だったので、Tシャツには見向きもしなかった。だから学生時代にアメカジブームに遭遇した時は面らった。白いTシャツを着た男たちが街にあふれたからである。 そんなTシャツがいまや欠かせないファッションアイテムである。ならばさわやかに着こなしてやろうと意気込んでも、時すでに遅し。ぶくぶくと太った体型にあわせても、寺内貫太郎にしか見えない。気がつけば、白いTシャツは、手の届かない憧れのアイテムになってしまっていた。 『捨てられないTシャツ』は、有名無名を問わず70人のTシャツにまつわるエピソードをまとめた一冊だ。これがむちゃくちゃ面白い。 編者は都築響一。雑誌メディアにオシャレなインテリア写真があふれる時代に、あえて生活感あふれる部屋の写真ばかりを集めた『TOKYO STYLE』を発表するなど、独自の視点で刺激的な

    『『捨てられないTシャツ』Tシャツには、物語が溢れている - HONZ
  • 『なぜ、無実の医師が逮捕されたのか』 99.9%という有罪率の壁を乗り越えた刑事裁判 - HONZ

    10年ほど前に、業務上の過失により患者(妊産婦)を死亡させたとして逮捕された、産科医をめぐる刑事裁判「福島大野病院裁判」について、ご記憶の方も多いだろう。テレビカメラの前で医師が逮捕されるというショッキングな出来事から始まり、娘を亡くした父親視点のドキュメンタリー番組が作られるなど、報道は過熱した。裁判の結果、99%を超える刑事事件の有罪率の壁を乗り越え、医師は無罪となった。このは、その弁護にあたった弁護士がまとめた記録である。 書は、徹頭徹尾、以下の立場が貫かれている。 弁護団は、決めていた。何があろうと、患者さん家族の如何なる言葉にも反論しない。そのご心中を察すれば、まして、生まれた時に、その母はいない子のことを思うからである。 裁判は闘いである。しかし、ご遺族と闘うのではない。検察との闘いでしかない。~書より 判決後、医師は「患者さんの期待や要望に応えることが出来なかったことは

    『なぜ、無実の医師が逮捕されたのか』 99.9%という有罪率の壁を乗り越えた刑事裁判 - HONZ
  • 【映画】『ヤクザと憲法』極道たりとも、法の下に平等なのか? - HONZ

    昨年の山口組分裂騒動を受け、多くのメディアを賑わせた極道の世界。その一方で、ヤクザの総数は今や全国で6万人を切ったとも言われる。もはや絶滅危惧種とも言われ、岐路に立たされるヤクザ達だが、その実態はどのようになっているのだろうか? 報道やフィクションでは目にすることの多いヤクザの世界を、地上波のドキュメンタリーという形で映し出したのが、作『ヤクザと憲法』である。昨年3月に東海テレビで放送されたこの番組は、取材クルーが100日近く密着することでヤクザの日常を描き出した。現在、テレビでは未公開となったカットも追加したものが映画版として再編集されており、いくつかの劇場で見ることができる。 取材を受けたのは、大阪にある指定暴力団「二代目東組二代目清勇会」である。27人の組員を束ねる親分は川口 和秀・会長。「暴力団対策法」制定のきっかけとなった「キャッツアイ事件」の際に殺人容疑などで逮捕されており、

    【映画】『ヤクザと憲法』極道たりとも、法の下に平等なのか? - HONZ
  • 『黒幕』 - 最後の情報屋は、右と左と表と裏を制した男 - HONZ

    部数は1000部に満たないほど。月2回の発行で、購買料は法人120,000円、個人36,000円(年額)。一般の人にはほとんど知られていない情報誌を発行しているだけなのだが、マスコミ人の誰もに知られ、一流企業の重役たちがその元へと足繁く通う男がいた。 それが最後の情報屋ーー石原俊介。「兜町の石原」とも呼ばれた男は、情報を生業とする人間にとって必ず挨拶すべき人と位置づけられ、彼が発行する『現代情報産業』は、”プロ”だけが手に取る読み物であったという。 書は、2013年に亡くなった彼の知られざる半生を追いかけた一冊である。だがその半生は、世間を賑わせた経済事件歴史そのものでもある。撚糸工連、平和相銀、リクルート、イトマン、東京佐川、金丸脱税、ゼネコン疑獄…。 その種の事件の裏側には、必ず石原氏の痕跡が残されていた。 彼の特長は、「人脈交差点」という立ち位置の巧みさにあった。若い時分には共産

    『黒幕』 - 最後の情報屋は、右と左と表と裏を制した男 - HONZ
    mikanyama-c
    mikanyama-c 2014/11/25
    興味深い
  • 【追悼:谷口ジロー】海外で圧倒的に賞賛される漫画家・谷口ジロー 『「坊ちゃん」の時代』 | マンガ新聞

    ※この記事は2017年2月12日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。 レビュアー:佐渡島 庸平 フランスやイタリアで最も有名な漫画家といえば、谷口ジローである。谷口ジローの作品は、多くの人に読まれているので、フランスのエンターテイメント小説の中の描写に普通に出てくるし、『遥かな町へ』という作品は、べルギーで映画化されている。ヨーロッパでは日漫画家といえば、谷口ジローで、ルイ・ヴィトンとのタイアップなども行っている。 世界は圧倒的に、谷口を賞賛しているが、日ではどうか? もちろん漫画業界で、知らぬ人はいないし、漫画家を目指す人の中で谷口の影響を受けている人は多い。しかし、海外の評価が逆輸入されることもなく、商業的な大ヒットはあまりない。 日国内で谷口を知っている人は、『孤独のグルメ』の作家としてだろう。ドラマ化もされ、国内でもっとも売れた作品

    【追悼:谷口ジロー】海外で圧倒的に賞賛される漫画家・谷口ジロー 『「坊ちゃん」の時代』 | マンガ新聞
    mikanyama-c
    mikanyama-c 2014/03/11
    『孤独のグルメ』で谷口ジローを知った人向けの紹介。谷口ジロー作品のフランス語訳は日本では絶版になっているような作品も網羅しているので、むしろフランスの方が日本より入手しやすそうな感じさえある。
  • 無能な研究者のずさんな仕事……なのか?  除草剤アトラジン問題のゆくえ - HONZ

    除草剤アトラジンをめぐる長年の論争がひとつの山場を迎えているようで、『ニューヨーカー』の2月10日号にホットなレポートが載っていました。アトラジンは日でも使われている除草剤でもあり、今後の成り行きが注目されます。 が、今回の記事はアトラジンの性質というよりもむしろ、医薬品や農薬などの安全性を調べている科学者が、その製品を製造販売している企業にとって好ましくないデータを出してしまったらどうなるのか--しかもそこに巨額の金が絡んでいるときには--という、われわれとして知っておくべき残念な事実に関するものでした。 除草剤アトラジンの問題は、両生類(とくにカエル)の内分泌学を専門とする、タイロン・ヘイズという研究者を抜きにしては語れないようで、『ニューヨーカー』の記事もヘイズを軸として展開されていました。 ヘイズは、サウスカロライナ州出身のアフリカアメリカ人で、彼が生まれ育った地域では、人口の

    無能な研究者のずさんな仕事……なのか?  除草剤アトラジン問題のゆくえ - HONZ
  • 『実録 ドイツで決闘した日本人』 - 高貴なる野蛮 - HONZ

    驚くべきことに、ドイツでは今日もなお、刃渡り約90センチの切れ味鋭い真剣を用いた「決闘」が一部の学生の間でごく普通に行われている。 そんな書き出しで書は始まるのだが、驚くのはこちらの方だ。隣のページに目を移すと、いきなり著者が身長2メートル近いドイツ人の大男と決闘しているシーンの記述に出くわす。それも著者が留学していた当時の話だから、わずか30年くらい前の出来事なのだ。 ドイツ語で「メンズーア」と呼ばれるこの「決闘」は、刃渡り88センチ、柄の部分が15センチもある鋭利な真剣を用いて、顔と顔を正面から斬りつけるものである。決闘する両者の間には剣の長さの分、つまり約1メートルほどの距離しかなく、直立して向かい合わなければならない。しかも敵の攻撃をかわすために、上体と頭を前後左右に動かしたりすることすら許されていないのだ。 後ずざりしたり、顔をのけぞらしたり動かしたりした者は、「臆病で卑怯な態

    『実録 ドイツで決闘した日本人』 - 高貴なる野蛮 - HONZ
    mikanyama-c
    mikanyama-c 2013/10/21
    "それは一つにはメンズーアが殺傷能力のある「真剣」を用いるということ、もう一つは勝ち負けがないということである。"なるほどそういうシステムなのか…
  • 『血盟団事件』 - 交わるはずのなかった二つの格差 - HONZ

    アルバイト店員が内輪向けのネタ画像をアップして炎上するなどの騒ぎが相次いでいる。この問題における一つの論点となっているのが、学歴の格差というものだ。「低学歴の世界」というセンセーショナルなフレーズとともに、多くの言葉が交わされているが、一昔前によく見かけた、都市と地方の格差という議論にもよく似た印象を受ける。 格差、就職難、ワーキングプア、社会からの孤立。これらの問題のルーツとなるようなものを辿っていくと、昭和初期に起きた一つの奇妙な事件に行き当たる。それが書で取り上げられている「血盟団事件」というものだ。 この事件は、日蓮主義者・井上日召に感化された若者たちが引き起こした連続テロ事件のことを指す。殺されたのは、元・大蔵大臣の井上準之助と三井財閥総帥の団琢磨。暗殺した小沼正、菱沼五郎の両者は、共に茨城県大洗周辺出身の幼馴染みの青年集団であり、日蓮宗の信仰を共にする仲間でもあった。 ※法廷

    『血盟団事件』 - 交わるはずのなかった二つの格差 - HONZ
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