印刷 賃貸住宅での自殺をめぐり、遺族が貸主側から損害賠償を求められるケースが相次いでいる。「事故物件」として家賃が安くなる現実があるからだ。中には数百万円と高額になり、裁判になる例も。遺族からは、不当に高い請求を禁止するよう国に求める声が上がっている。 福島県の自営業の男性(56)の長女(当時20)は2009年、神奈川県内の賃貸マンションで自殺した。男性は貸主から「8万円の家賃が半額近くになった」と訴えられ、減額分や原状回復費用として計約290万円を請求された。 貸主側は「自殺があったことで嫌悪感を抱かれる欠陥物件になった」と主張。男性側は「科学的な根拠はない」と反論したが、東京地裁は今年1月、約160万円の支払いを命じた。新たにこの物件を貸した場合は2年契約となることから、2年余りの減額分などを損害額と認定した。 関連リンク賃貸マンション、契約更新料は「有効」となったが(8/12)