対イラン包囲網を強める欧州に対し、日本政府は「遺憾」の意を表明するにとどまっている。イランが伝統的な親日国家であることに加え、原油輸入量の約1割を依存していることが背景にあるが、核兵器開発疑惑への懸念を深める国際社会との対応に違いが浮き彫りになっている。 藤村修官房長官は1日の記者会見で「大変、遺憾な事態だ。イランに対する制裁を外務省で検討している」と述べた。だが、省内からは「まだ頭の体操レベルだ」との声が漏れる。 フランスのサルコジ大統領は先週、野田佳彦首相に石油輸入停止などを求める書簡を送ったが、政府は要請に応えていない。外務省幹部は「エネルギー外交上、重要な位置付けにあるイランと信頼関係を崩すわけにはいかない」と語る。 経済産業省によると、平成22年のイランからの原油輸入量は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などに次ぎ4番目。1979(昭和54)年のイラン革命以降も日本は友好関係を維