廃虚がテーマの写真で知られる丸田祥三さんが「模倣した写真で著作権を侵害された」として、写真家、小林伸一郎さんに写真集の販売差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は10日、請求を退けた一審東京地裁判決を支持、丸田さん側の控訴を棄却した。 判決理由で塩月秀平裁判長は「被写体が同じで構図が似ていても、写真の表現上の本質的特徴といえる撮影時期や角度、色合いが異なっている」と指摘、小林さんの作品は著作権侵害に当たらないとした。 判決によると、丸田さんは平成5~12年に写真集と対談集を計3冊出版。10~20年に発行された小林さんの写真集4冊には、旧変電所や橋の跡など同じ廃虚の写真が含まれていた。