「私の夢は、日本に住んで、任天堂でゲームデザイナーとして働くことです。とても大きな目標ですが、これは私が初めてマリオをプレイした時から抱き続けている夢なのです。」 これはいまから10年前、高校を卒業したばかりのとあるアメリカ人青年がインターネット上の掲示板に記した言葉である。ゲーマーなら幼い頃、彼のように大好きなゲームを作った会社やゲームクリエイターに憧れた方は多いのではないだろうか。そういった意味では、彼は世界中どこにでもいる普通のゲーム好きの青年といえるだろう。しかし高校を卒業して、これからの将来を真剣に考える時期にあった彼にとって、日本に行くことはもう漠然とした夢ではなかった。 任天堂 本社開発棟 Image Credit: OSAKAビル景 彼が書き込んだのは、Translators Cafeという翻訳や通訳を仕事とする人たちの交流の場となっている掲示板だ。ここにはさまざまな言語を