【北京=五十嵐文】米国のケリー国務長官が14日、北京を訪問し、中国の習近平(シージンピン)国家主席、王毅(ワンイー)外相らと相次いで会談した。 新華社通信によると、王氏は会談で、東シナ海や南シナ海で中国が領有権を主張している地域について「国家主権と領土を守る我々の決心を揺るがすことはできない」と述べ、米国が中国の「核心的利益」を尊重するよう求めた。 これに対し、ケリー氏は「米国は中国の平和的な台頭を歓迎し、中国を抑制する意図は全くない」と述べた。ケリー氏は中国側との会談で、中国が東シナ海に防空識別圏(ADIZ※)を設定し、南シナ海でも設定を検討していることなどが地域の緊張を高めているとして懸念を表明し、日本などとの対立緩和に努めるよう促したとみられる。王、ケリー両氏は、米中両軍の重大な軍事行動について相互に通報するシステムを構築することでも一致した。