ずっと気になってた広瀬和生の「この落語家を聴け!」が文庫化されたのを知って、慌てて購入した。 中身は、とにかく熱い。そして偏りまくっている。嫌いな落語家や見ていない落語家には触れることなく、ひたすら好みの落語家のことを語りまくっているのが潔い。 「政治的配慮」などの不純物が感じられないのもスゴい。信用できる人だと思う。 ただし上方落語については鶴瓶にしか言及してないのが不満といえば不満。でも自分の好みに忠実であろうとした結果そうなったのだとわかるから、何とも言えない。 落語を観に行くのであれば、寄席ではなく、実力のある落語家の独演会や落語会にするべきだという主張には説得力がある。 落語は「演目を聴きに行く」ものではなく、「落語家(噺家)を観に行く」ものだ。漠然と「落語という芸能を体験しに行く」のではなく、「誰を」聴くかが問題となる。それは、ロック・ファンが漠然と「ロックを聴きに行く」のでは