昨年のノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長(35)は18日に日本を離れたが、訪日は安倍晋三首相政権が「核兵器廃絶に消極的」とのイメージを植え付け、政権批判の材料として一部のメディアや野党に利用された印象が拭えない。(沢田大典) フィン氏は原爆投下による被害を受けた長崎、広島両県のほかに、東京都も訪れた。ICANの主要運営団体は立憲民主党の辻元清美国対委員長が中心になって創設した「ピースボート」で、幹部がフィン氏の日程に同行した。 フィン氏は13日、長崎市で「人類で初めて原爆を体験した日本は、核兵器禁止条約に参加する道義的責任がある」と述べ、条約に参加しない日本政府を批判した。15日には広島市での講演で、日本政府の対応について「(核廃絶を求める)国際社会から足を踏み外した」と断言し、「広島、長崎以外で同じ過ちが繰り