この事件が誤判に至った理由については自白偏重など、様々のことが言われていますが、誤判の直接の理由は警察庁科学警察研究所(科警研)のDNA鑑定を警察や検察、裁判所が疑わなかったこと(疑っていながら知らん顔していた可能性もゼロとは言えませんが)であり、それについて少し述べたいと思います。 弁護側が行った押田鑑定とよばれる鑑定では科警研と異なる結果が出て、科警研の信頼性を疑わせるものでしたが、97年以後、最高裁や宇都宮地裁は弁護側が提出したその鑑定を取り上げなかったとされています。疑う機会が何度もありながら裁判所や警察や検察などの関係者が、なぜ科警研のDNA鑑定を疑わなかったのかということは非常に重大な問題です。 当時の科警研によるDNA鑑定の精度は、別人で一致する可能性が1000人に1.2人とされています(その後、データが集まるにつれこの公称精度は低くなり最後には1000人に6.23人となった
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