左側通行を採用する英国。日本が左側通行となったのも「近代化のなかで英国の方式を取り入れたから」という説も流布しているが、実のところ全く根拠がないのだ! 日本が左側通行となった理由として、「英国に倣った」や「侍が持つ刀の影響」など諸説が挙げられているが、そもそも左側通行となった時期はいつなのか。多数の文献にあたるなかで、1冊の書籍と出会うことが出来た。岡 並木 氏が執筆した「舗装と下水道の文化」(論創社、1985年)である。 同書は道路と下水道の歴史に触れた著書で、世界のライフラインが如何に普及したのかを知ることができる。この本とその他の道路に関する資料の内容を要約すると、以下のような歴史がはっきりと見えてきた。 まず、初めて左側通行が明文化されたのは、1881年(明治14年)の警察庁通達で「車馬(シャバ)や人力車が行き合った場合には左に避けること」とあり、これが日本の左側通行の原点となった