2013年5月27日 田中 宇 4月15日夜、インドと中国が領有権を争うラダック地方東部の中印国境地帯で、30人の中国軍兵士が谷に沿ってインド側に19キロ侵入し、テントを設営して滞在し始めた。ラダック地方では以前から、中国軍兵士が夜間にインド側に侵入してテントを張り、近くの岩に「ここは中国領だ」と大書したり、ゴミを散らかして滞在の痕跡を残したりしつつ、翌朝に中国側に戻る示威行為を繰り返してきた。インド側は当初、今回もそのような示威行為だろうと考えていた。 (India, China and yet another border dispute) しかし前代未聞なことに、中国兵士は何日経ってもインド領内にテントを張ったまま滞在し、インド軍が警告を発しても、中国側に戻ろうとしなかった。印中は第二次大戦後、ラダック周辺で何度も戦闘を繰り返しており、今回の中国軍侵入も、中印戦争に発展しかねなかった