久しぶりのボストンで驚くのは中国人の多さだ。私がいるMIT(マサチューセッツ工科大学)にも、圧倒的な数の中国人学生がいる。来春ここで尖閣問題について大きなシンポジウムが開かれる。聴衆の大部分は中国人留学生になるという。だから不愉快な目にあうことは覚悟してくれと主催者から言われた。尖閣についての中国の大キャンペーンが始まっている。しかし日本は、(1)日中間に領土問題は存在しない(2)中国を刺激しない、という方針のもとで何もしてこなかった。 中国は、尖閣諸島を中国領土に編入するという「領海法」を1992年に制定した。国有化を撤回しろと日本に要求する前に、中国はこの法律から尖閣諸島の名前を削除すべきである。不思議なことに、当時も、今も、日本政府はこの中国法に対して強い抗議を行っていない。領土問題は存在しないのだから中国にいちいちに対応する必要はないということなら、間違いだ。それが今の中国の大攻勢