情報科学においては、対象世界(知識領域)をある視点でみたときに立ち現われてくる構成要素(概念)を明示的に表現し、それらの関係を体系的に記述したもののこと。セマンティックウェブでは概念や意味を共有し、コンピュータが文書の意味を理解したり、情報を再利用したりするための基盤機構として構築される語彙(ごい)のセットをいう。 本来は哲学分野で「存在論」を指す言葉だが、情報科学や認知科学などでは意味や概念を取り扱うときに必要となる体系的な知識記述をいう。この分野では、米国人コンピュータ科学者のトム・グルーバー(Thomas R. Gruber)による「概念化の明示的な記述」という定義が受け入れられている。 人間が日常取り扱っている会話や文章には、省略や多義的表現が多く含まれており、提示された情報だけでは正確な理解や解釈ができないことが普通である。例えば、会話や文中に「りんご」という単語が登場したとき、