印刷 永久磁石を非常に薄くすると、電圧をかけるだけで磁石ではなくなることを京都大化学研究所のグループが見つけた。電圧をなくせば磁石に戻る。磁力を簡単にオンオフできる装置が実現可能になり、ハードディスクの省エネ化などに役立つという。英科学誌「ネイチャーマテリアルズ」電子版で3日発表する。 京大化学研究所の千葉大地助教(磁性物理学)らは、コバルトの永久磁石を250万分の1ミリという薄い膜にし、絶縁体の層をつけて電流が流れないようにして10ボルトの電圧をかけた。すると磁石の性質が完全に消え、普通の金属になった。電圧で電子の量がわずかに変化するためという。 ハードディスクなどに情報を書き込むのに、電磁石の磁気ヘッドが使われている。電磁石は金属のコイルに電流を流したり止めたりすることで磁力をオンオフするため、電力を消費する。磁気ヘッドにコバルトの薄膜を使えば電流は流れないので、電力はほとんど消