岩波新書・編集長が語る、“現代人の現代的教養” 「教養とはよりよく生きるために大切なものを学びとる精神のこと」 「新書」という出版形態の創始である岩波新書は、1938年の創刊以来、一貫して「現代人の現代的教養」を目的として編まれてきた。また、いかなる時代にあっても、広い世界的観点や批判的精神を持つことが大事なのだと、強く読者にうったえかけてきた。たとえばこの夏(7月)、緊急出版された『コロナ後の世界を生きる――私たちの提言』(村上陽一郎編)などは、そうした岩波新書の編集理念を象徴した1冊だったと言える。そこで今回は、同編集部の編集長・𠮷田裕氏に、出版不況、そして、戦時中や戦後、あるいは震災直後などとはまた違う形の“先行きが見えない時代”であるいま、岩波新書は読者にとってどういう存在であるべきなのかを語ってもらった。(島田一志)【記事最終ページにて岩波新書編集部の書棚、そして岩波書店の出版