戦争はなぜ起こるか―目で見る歴史 (1982年)はテイラーという有名な史家が書いた著作です。原題は「HOW WARS BEGIN」。中身はタイトルの通り、戦争がいかに開始されるかを書いています。フランス革命戦争から冷戦までの主だった戦争を取り上げています。 何せテイラーの著作ですので、読み物としても面白く、多くの示唆を与えてくれます。戦争の原因は百万通りもあるとしても、その中で「錯誤」と「不合理」が含まれないものは一つもないようです。 前回はこの本の「フランス革命戦争」の項を取り上げました。(前回) 今回は「クリミア戦争」です。私のような日本人にはあまり馴染みのない戦いですが、ナイチンゲールが活躍したことで有名です。 ”遠因”だけで起こった戦争 もっとも弱い国からの宣戦布告 政府は平和を望んでいたのに、市民と新聞が戦争に突き進んだ 戦争を招いた戦略と思想の対立構造 構造とマスコミが国民を戦