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ブックマーク / nekoprotocol.hatenadiary.org (4)

  • 童話「ねずみのよめいり」で誰が一番不憫か。 -

    童話「ねずみのよめいり」で誰が一番不憫かといったらねずみの娘、と答えたいところだがふと考える。 なるほど父親が結婚相手を見繕うのは確かに不憫だろう。でもそれは時代がそうだったからで彼女だけの話ではない。 あるいは、すべての結婚申込相手、太陽、雲、風、壁に体よくあしらわれる様は不憫と言えるだろう。 「いやいや私なんか」と下手にへりくだる恒星や自然現象どもときたらとんだ策士である。 であれば、ふむ。ねずみの娘は不憫だったのだ。 だがいまひとつひっかかる。 なんだか話がうますぎるのだ。物語の骨子をなす、ねずみ最強へ連なる強者のロジック。強さインフレーションが、太陽系最強のエネルギー体からスタートしてわずか4Hopsでねずみにたどりつくというのはどう考えてもおかしい。 そしてはたと気づく。 あいつらグルだったんじゃないか? 太陽も、雲も、風も、壁も。 その裏で糸を引いているのは……娘。 さも父親に

    童話「ねずみのよめいり」で誰が一番不憫か。 -
  • バナナ考えたヤツ天才じゃね? -

    よく言われることだけどバナナ考えたヤツは天才すぎるというか、でもだってまず皮がヤバイ。外皮ヤバイ。剥きやすい。スイカやメロンはバナナ見習えっつー。 そりゃみかんも剥きやすいよ? でも薄皮ジャマ。薄皮うんか出すんかで人間を悩ますとこがダメダメ。その点、バナナは外皮オンリー。しかも種もない。種なし。種を出すアクションが不要。ワンアクションでべられる。ワンアクションフード。 べるペースも調節できる。大きい口なら一口で、小さい子ならそれなりに。外皮はソフトクリームのコーンみたいに持ち手にもなっちゃう。なんというべやすさ。なんという無駄のないインタフェイス。 外皮のないイチゴなら、皮剥く必要ないじゃんとか言う。ほら、きた。じゃあイチゴさん聞くけど、おまえ農薬からガードできんのかよ。バナナの外皮は防毒、保湿、長期保存ばかりか、携帯性にもすぐれちゃってる。直接、持って散歩に行ける。 あと房。バナ

    バナナ考えたヤツ天才じゃね? -
  • 少年と船 -

    僕が公園で友達と遊んでいると突然、彼女の顔がドット欠けを起こした。まただ。多分また船が座礁したんだ。船体修復にリソース割いてるんじゃないかなきっと。僕は樹木の陰のパネルを操作し、友達と公園を消して、父さんの待つ船橋へ向った。 「父さん! また座礁?」 「おまえか。ちょうどよかった。話がある」 父さんは普段とフンイキが違った。いつもなら頭掻きながら「ああすまんすまん」て言うのに。 「近頃《座礁》が頻発しているのは知っているな?」 「うん。フォイルが下にひっかかりやすくなってるんでしょ?」 フォイルっていうのはハイプ中の船を通常空間に沿うようガイドする羽だ。水中翼船っていうのに似てるって父さんは言ってた。通常空間から船がすこし浮いてるから速く飛べるんだってさ。 「界面が下がってるんだ。フォイルが底にぶつかる。通常空間の密度が急激に落ちていて、ハイプスペースが安定してないんだ」 「よくわかんない

    少年と船 -
  • ロボの涙が好きである。 -

    攻殻のフチコマが泣くシーンの欄外コメントや、サモンナイトのロボットランドルさんを例に挙げるまでもなく《ロボットの泣く絵》には決まって「(泣いてませんよ)ただのレンズの洗浄液です」というセリフが続くわけで、あろうことか(あろうことか?)おれはこのセリフが大好きなのである。 というのも、人間の涙だってそもそもはレンズの洗浄液なわけで、じゃあじゃあこのロボのセリフの言外には、ある種の三段論法が隠れているのである。 すなわち、「人間の涙もレンズの洗浄液」「人間の涙は感情の発露の最たるもの」「じゃあ、レンズの洗浄液を流すロボットにも、感情が芽生えるんじゃね?」という論法である。どこをどうとっても間違った論法には違いないのだが、おれはこの考えが大好きなのだ。こいつらもいつか感情を持ってしまうんじゃないか。そんな期待を抱かせやがるセリフなのだ。 ロボットたちが「泣いてませんよ。ただのレンズの洗浄液ですよ

    ロボの涙が好きである。 -
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