正午過ぎに到着したヤングスタウンの気温は、摂氏マイナス7度。レンタカーの扉を開けた途端、身体の芯まで冷える風に包まれる。 裁判所やシティー・ホールが立ち並ぶダウンタウンに向かうが、驚くほどに人影が見られない。現在の人口は8万1000人強。鉄鋼の街として潤った1930年代には、17万人が住んでいたが、溶鉱炉、製鉄所、鉄工所が相次いで閉鎖され、住民が離れていった。 ヤングスタウンには州立大学があり、およそ1万3700人の学生が通っている。ダウンタウンから大学までは車で10分と掛からない。それでいながら、これほど人の姿を見ないとは・・・。 ダウンタウンから大学に向かう道も、幾つか生活感のある家々を目にするのだが、学生の下宿といった様子で街全体が静まり返っている。また、廃墟となった建物も多かった。 ●ヤングスタウン州立大学には浮浪者が住み着いており、女子学生の親は、娘が同大学に通うことを危惧してい