さて、今回私がホラーを求める気持ちになったのは、実は下記のような事柄があったからなのでした。 その四 セキゼキさんの話 その日、私は近所に住むセキゼキさんとの待ち合わせ場所に向かっていました。 すると、前方から「ひえっ、ごめんなさい」という声がきこえ、ふとそちらを見ると、なんとセキゼキさん(仮名)が慌てた様子でこちらにやってくるところでした。 あらちょうどいいタイミングだけど、なんだか様子が変だなあと思いながら、私は挨拶をしました。 「こんちわー。どしたん泡食った様子で」 「いや、この坂を下った先に霊園があるんだけど、おれ、待ち合わせに遅れそうだから近道しようと思ってね、霊園を突っ切ったのよ。 そしたら! なんかふと気がついたら五十人くらいの人が、周りに立っててさ。おれをすごい目つきで睨んでいたわけ。 なんかよくわかんないけど、集団墓参りとかそういう宗教的セレモニーの最中だったのかな? と