選挙事務所は党本部で、候補者にSP(警護官)はつかず--。今回の自民党総裁選は、それぞれの陣営が東京都内のホテルの部屋を借り切り、多数派工作にいそしむといったお決まりの風景が消え、これまでにない地味な展開が際立っている。民主党政権が発足した陰に隠れて注目度が低くなってしまったことに加え、衆院選の大敗で国会議員が激減し、党の台所事情が苦しくなった側面もある。 西村康稔前外務政務官(46)、河野太郎元副法相(46)、谷垣禎一元財務相(64)は今回の総裁選で、いずれも党本部5階に選挙事務所を構えた。支持者を集めて行った18日の出陣式も党本部で済ませた。 高級ホテルなどに選挙事務所を設けて、国会議員や秘書が連日詰めて情報収集にあたった昨年までの総裁選とは、大きく様変わりしている。 恒例だった候補者の政策パンフレットやチラシも自粛した。昨年の総裁選では計17カ所を回った全国遊説は、今回、11カ所に絞