30年のキャリアを誇る経営戦略コンサルタント。情報分析や業界分析に強く、未来予測やイノベーション分野が得意領域。一方で雑学にも強く、経済エンタテナーとして各方面に寄稿。経済クイズ本『戦略思考トレーニング』シリーズは20万部を超えるベストセラー。マスコミ関係者の地下クイズ集団『夜会』のメンバーとしても活躍。 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 経済誌をにぎわすニュースや日常的な経済への疑問。そのときどきのトピックスについて経済の専門知識を縦軸に、社会常識を横軸において、ナナメにその意味を考えてみる。 バックナンバー一覧 「5G」特需が見込まれるも 存在感が薄い日本の通信機器 2020年からいよいよ日本でも携帯電話の第5世代、いわゆる5Gのサービスが開始されます。5Gへの切り替えとなると、携帯電話会社1社で2兆円規模の投資が必要になります。単純計算すると、携帯4社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク、
総務省は今秋までに導入する「通信料金と端末代金の完全分離」について、新規参入の楽天モバイルネットワークを適用の対象から除外する方向で検討していることが、日経 xTECHの調べで分かった。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社が端末購入補助を封じられる中、楽天にとっては大きな追い風となりそうだ。 総務省は、新規参入の楽天が既存の大手3社に比べて著しく不利な点に配慮した。携帯電話全体に占める楽天の契約数シェアが一定の比率に達するまでは、一定の端末購入補助や期間拘束を認める考えだ。 楽天の契約数シェアがどの水準に達した時点で適用の対象とするかは今後詰めるが、事業者間の競争関係に一定の影響を及ぼす規模となっていることが大前提となる。少なくとも10%以上の水準とするのが濃厚とみられる。 楽天は現在、MVNO(仮想移動体通信事業者)として格安SIMサービス「楽天モバイル」を手掛ける。M
米レッドハットは2019年2月27日、楽天モバイルネットワークの携帯電話サービスのインフラ構築に、オープンソースのクラウド運用ソフト「Red Hat OpenStack Platform」が採用されたと発表した。 「MWC19 Barcelona」の楽天ブースで対談する、レッドハットのクリス・ライト副社長兼CTO(左)と楽天モバイルネットワークのタレック・アミンCTO 楽天モバイルネットワークの携帯電話サービスは、2019年10月の商用サービス開始を予定している。同サービスの携帯電話網はコアネットワークだけでなく、基地局の制御などを担うRAN(Radio Access Network)にも全国規模で汎用サーバーと仮想化を導入するのが特徴だ。全国約4000カ所のNTTの局舎に、L2に相当するDU(Distributed Unit:分散ノード)とL3に相当するCU(Central Unit:集
期待の新戦略が空振り続きだった大手キャリア。その逆襲がようやく始まりそうだ。巻き返しのきっかけは2018年5月9日に開始する新サービスの「+メッセージ」。キャリアならではの強みを生かす戦略が何とか見つかったようだ。 各種サービス事業者から再びユーザーの目を引きつけられるようなサービスを生み出す主導権を奪うため、二の矢三の矢も控えている。しばらく目を離せそうにない。 モバイル回線を「土管」化したスマホ 今や万人にとっての必需品といえるスマートフォンだが、大手キャリアにとっては“獅子身中の虫”ともいえ、必ずしも歓迎すべき存在ではなかった。契約者やデータ通信量が増える原動力になったのは事実だが、一方でそれまで圧倒的だったキャリアの支配力が大幅に弱まる原因となったからだ。 スマホ登場前、携帯電話関連の製品やサービスはキャリアが主導権を握って開発してきた。大ブームとなった「i-mode」しかり、「写
4月6日、総務省の諮問機関である電波監理審議会が開催され、楽天に対して、1.7GHz帯の免許が付与されることが決定した。 楽天は2019年10月にサービス開始を計画する。料金プランはMVNOの楽天モバイルで提供しているプランと同じになるという。また法人向けや大容量プランも準備中とのことだ。 この記事について この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年4月7日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。 今回、周波数の割り当てを受けたNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天に対しては、開設計画の認定にあたって条件が付与されている。特に楽天に関しては、新規参入ということもあり、3社とは別の条件も加えられている。 特に注目なのは「他の既存事業者のネットワークを利用す
ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は、5月9日に「+メッセージ」と呼ばれる新サービスを開始する。+メッセージとは、世界各国の通信事業者が加盟する業界団体・GSMAが標準化した「RCS(リッチコミュニケーションサービス)」の規格に基づいたメッセージングサービス。日本からも、各社が仕様の策定に協力している。 GSMAによると、2018年2月時点では北米や欧州を中心に、27カ国、50キャリアで導入されており、ネットワークベンダーではEricssonやHuawei、ZTEが、端末ベンダーではSamsungやHuawei、LGエレクトロニクスといった名だたるメーカーがこれを支持している。Googleは、同社が2015年に買収した「Jibe」の技術を活用し、Android標準の「Androidメッセージ」をRCSに対応させた。 「さらに30カ国、40のキャリアで導入が予定されている」(ドコモ スマー
Googleが、Androidプラットフォームで「RCS(Rich Communication Services)」というメッセージングサービスをサポートするための取り組みを強化している。2月26日(中央ヨーロッパ時間)からスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress 2018」では、同社のパートナー企業がRCSを使ったデモンストレーションを行うという。 「RCS」とは一体どのようなメッセージングサービスなのだろうか。そして、日本の携帯電話用メッセージングサービスにどのような影響を与えるのだろうか。 RCSは「SMSを代替するリッチなサービス」 RCSは、移動体通信に関する業界団体「GSM Association(GSMA)」が策定した「SMS(Short Message Service)」の代替を目的としたメッセージングサービスの規格だ。 規格化に向けた動
auブランドを展開するKDDIが3月2日、テザリングオプションに関する価格改定を発表し、ネット上で論議を呼んでいる。 これまで、KDDIを含め国内3キャリアは割引などのキャンペーンを適用することで、実質的に「テザリング」オプションの料金をとってこなかった。 今回、KDDIが発表したのは、同社のデータプラン「データ定額20/30」において、テザリングオプションの料金を500円徴収する(厳密には、無料キャンペーンを廃止し、従来の月額1000円から月額500円に「値下げ」する)というもの。 この「テザリング実質有料化」は、実はソフトバンクも同じ状況だ。Twitterなどでは、利用者を中心に「テザリングが有料とは時代錯誤ではないか」という声が多数挙がっている。 ユーザーは通信容量を「購入」しているのではない?特にビジネスの場において、もはやテザリングは「当たり前」の機能ではないのか。そもそも、テザ
Today we are incredibly excited to announce the alpha release of a major new open source project: Capacitor. Capacitor aims to build a better Native runtime for the future of Ionic apps running everywhere: iOS, Android, Electron, and on the web as a Progressive Web App. Capacitor offers a consistent API that handles operations on the underlying platform in a portable, cross-platform way. That mean
30年のキャリアを誇る経営戦略コンサルタント。情報分析や業界分析に強く、未来予測やイノベーション分野が得意領域。一方で雑学にも強く、経済エンタテナーとして各方面に寄稿。経済クイズ本『戦略思考トレーニング』シリーズは20万部を超えるベストセラー。マスコミ関係者の地下クイズ集団『夜会』のメンバーとしても活躍。 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 経済誌をにぎわすニュースや日常的な経済への疑問。そのときどきのトピックスについて経済の専門知識を縦軸に、社会常識を横軸において、ナナメにその意味を考えてみる。 バックナンバー一覧 富士通が携帯事業から撤退 高機能戦略にも訪れた「限界」 私が参加している「地下クイズ界」で有名な問題に、こういうものがある。 【問題】そのセキュリティの高さから配偶者に覗き見されるリスクがほとんどなくなったため、その筋では“浮気用のスマホ”と呼ばれているアローズとは、どこのメーカ
2007年の初代「iPhone」の登場は、コンピューティングパワーの使い方をめぐる革命の到来を告げるものだった。コンピュータが、デスクに置いて勤務時間中に使うPCという形から、ポケットに入れて持ち運び四六時中使うものへと変わったのだ。 スマートフォンはそれから約10年の間に目まぐるしく変化し、今やその性能は頂点に達している。進化の過程でPC、カメラ、テレビ、衛星ナビなど、さまざまな機能を取り込み、常に身近にあるデジタル機器となった。 だが、「2倍の明るさで輝けば、半分の時間で燃え尽きるものだ」(このセリフを引用するのはどうかと思うが)。そして、スマートフォンの輝きは、あまりにも明るく、まばゆいほどだった。 スマートフォンのイノベーションは、ゆっくりと止まろうとしている。端末に詰め込める機能はもうあまりなく、今ではディスプレイにカーブを付けることが最先端技術と言われるようになってしまった。巧
2007年に登場したiPhoneは、今年で10周年を迎える。この10年の間、iPhoneは携帯電話業界に多大な影響を与えた。アップルも参考にしたと言われるiモードの生みの親の一人であり、携帯電話業界の最前線でiPhoneを見てきたACCESS(アクセス)共同創業者、TomyK 代表取締役の鎌田富久氏に話を聞いた。 携帯電話がスマホになったとき、インターフェースががらっと変わりました。タッチで直感的な操作ができますし、音声入力でもいろいろなことができます。そのインパクトについてどうお考えですか。 iPhoneが登場してから10年の前半、すなわちスマホ時代の前半は、パソコンと違って、いつでも使えていつでもつながるようになりました。場所にとらわれず使いたいときに使えるアプリが山のように出てきました。 それは携帯電話の時代にも起こっていたんですけど、スマホになってより多様なアプリが出てきたというこ
さまざまなモバイルプラットフォームが生まれては消えていった。そして、今はっきりしているのは、「iOS」と「Android」の複占状態を崩せるものは何もないということだ。 Cyanogenは最近、モバイル市場から慌ただしく立ち去り、Microsoftは数十億ドルを投じたにもかかわらず、市場で頭角を現すことはできなかった。そうしたことからも、AppleとGoogle(そこにサムスンを含めてもいいだろう。同社はAndroid搭載ハードウェアメーカーとして唯一、大きな収益を挙げているとされる)が、いかにうまくやっているかが分かる。 モバイル市場の特徴は、見かけによらず大規模であることだ。2016年のスマートフォンの販売台数がほぼ15億台だったことを考えれば、第三の企業がこの市場で地盤を固めるには、ほんの少しのシェアを削り取れば済みそうに見える。 多くのプラットフォーム──「Cyanogen」「Ti
Appleのワイヤレスイヤフォン「AirPods」が店頭販売開始日の2016年12月19日に予定通り到着した。このコラムを書くべく年末年始に徹底的に使い込んだ。 高くそびえる銀嶺を一気に飛び越えるかのごとき、利便性の飛躍的な向上をどのように文章化すればいいのだろうか。それは単にイヤフォンがアンプラグド化されることで得られる「コードがないから便利だよ」といったレベルの話ではない。イヤフォンの無線化だけの話に終始するなら、過去に数台を使い潰してきたサードパーティー製のBluetoothイヤフォンで無線のご利益は百も承知だ。 AirPodsは、アンプラグド化という土台の上に幾重にも「未体験の利便性」を積み上げている。iPhone各モデル、MacBook Pro Retinaディスプレイモデル、Apple Watch、iPad Proと、最近の2年間で購入したApple製品の中で、筆者の中における
LINEのMVNO(仮想移動体通信事業者)サービス「LINEモバイル」が9月21日、いよいよ正式スタートした。最大の売りとするのが、LINEやFacebook、Twitterなど、特定のアプリケーションのパケット通信量をカウントしない「カウントフリー」だ(写真1)。 LINEのMVNO事業を展開するLINEモバイルの嘉戸彩乃社長は、「ネットワークとコンテンツを連携することで、ユーザーに対する価値を上げていくこと」とLINEモバイルのサービスの狙いについて語る。 これまでのMVNOサービスは、いわゆる格安スマホとして、携帯電話大手3社と比べて圧倒的に安いコストパフォーマンスを売りに市場を切り開いてきた。だがここに来て、MVNO市場に参入する事業者は2016年6月末時点で580社まで増え、事業者間の競争は激しさを増している。加えて、携帯電話大手3社も、サブブランドの展開や低価格プランの導入など
固定電話番号を新規事業ごとに取る [OpenFactory] 事業を立ち上げる、あるいは新規に開業するなら、スマートフォンで使える0AB~J番号を取得する─。個人事業主やスタートアップ企業では、これが“新常識”になるかもしれない。 デジタルプリント関連の事業を立ち上げたOpenFactory(東京世田谷区)の堀江賢司CEO(最高経営責任者)は、0AB~J番号が使えるスマホ向けサービスを新規事業に活用し始めた。同社はWebで染色・印刷柄などを選べる布の販売サイト「HappyFabric」と、有店舗型のデジタルプリンター工房「HappyPrinters」を展開している。堀江CEOがスマホ向けに取得した番号は2つある。2つの事業で、2つの電話番号を使い分けるためだ。 番号取得のために、ニフティが提供する個人事業主向けのFMCサービス「ShaMo! by NIFTY BIZ」を契約した。現在は東京
タブレット端末であらゆる客室サービスを [金谷ホテル観光] ホテルの客室にはどんな「電話」があるべきか。時代に合わせて機能を見直した結果、金谷ホテル観光は栃木県日光市で営業する「鬼怒川金谷ホテル」で自営PBXと客室の卓上電話機を廃止。クラウドPBXとタブレット端末で代替した。鬼怒川金谷ホテルは金谷ホテル観光が運営する施設の中でも、高級路線をとるリゾートホテルだ。 契機は2014年にPBXが故障し、客室から通話ができないなどのトラブルに見舞われたことだった。中古のPBXを購入して急場をしのいだものの、これを新機種に刷新したとしても故障のリスクは消えない。そこで施設運営を担当する経理部の小林秀樹部長は、メーカーの駆け付け保守に頼るPBXの自営そのものをやめる検討に入った。 検討や見積もりの結果、NTT東日本のクラウドPBX「ひかりクラウドPBX」を採用した(図6)。
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