先日、ある中堅SI事業者の社長と会食の機会があった。彼は冒頭、「斎藤さん、うちも、やっと4月から営業部を作ることにしました。これで、営業力の強化を図りたいんですよ。」 この会社ばかりではないが、ここ数年、営業部門を新設する中小SI事業者が増えたような気がしている。それ以前は、営業などいなくても、デリバリーの責任者やPMがお客さまの窓口となり、仕事を回すことができていた。また、「営業」という役職や組織があっても、事務処理や調達、トラブルへの対応などが、主な仕事であり、新規のお客さまや案件の開拓には、あまり時間をかけることはなかった。まあ、既存のお客さまでも、十分に食べてゆけたこともあり、あまり重視する必要もなかったと言うべきかもしれない。つまり、売り込みなどしなくても、受注はとれていたのである。