それは、一時代を築いた英雄への、そして、クラブの哲学を体現したそのキャリアへの 改めての賛辞だったのだと思う。 満員のスタンドからの歓声に、鳴り止まぬ拍手に、クラブ史に残るその英雄は笑顔で手を挙げて応えた。 ただ、その表情はどこか哀しげな印象を与えた。 2006年8月27日。 06-07シーズンの開幕戦を迎えた旧サン・マメス。 対戦相手は、レアル・ソシエダ。 試合前、前シーズン限りで引退したジュレン・ゲレーロが始球式を行った。 スーツ姿で登場すると、センターサークルから照れ臭そうに軽くボールを蹴り出した。 そして、クラブ史に残る英雄は声援に応えながら、サン・マメスのピッチを去って行った。 そのおよそ1時間半後、英雄が去ったピッチで、ひとりの若者がトップデビューを果たした。 その若者に与えられた背番号は、8。 それはひとつの時代の終わりと、新たな時代の始まりとなるはずだった。 天才と謳われた
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