日本を含めた欧米諸国では、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が強行的にクリミアを併合したと同時に、新たにウクライナの東部州の併合も画策していると見る。同大統領こそがウクライナ東部の動乱の首謀者であり、混乱の引き金を引いた張本人であると捉える。 けれどもロシア国内での見方は真逆だ。親米派のウクライナ新政権は武装集団「右派セクター」のロシア系住民の殺害を容認し、プーチン大統領は彼らを守るためにクリミア併合に踏み切ったと見ている。 ウクライナ新政権の裏には常に米国がいるというのがロシア側の解釈だ。 さらに未確認情報として、ロシア系住民の殺害を命じたのは米中央情報局(CIA)との話もある。少なくとも、プーチン大統領が同胞を守ろうとした行為は国民に歓迎され、支持率は60%から82%にまで跳ね上がった。 どちらに正当性があるのだろうか。 西側から見れば、ロシアによる本格的な領土拡張は1991年に旧ソ