牛丼大手3社が低価格競争を展開する「牛丼戦争」で吉野家の苦戦が続いている。吉野家が9日発表した11月の既存店売上高は前年同月比8.2%減に落ち込み、プラスを維持した「すき家」「松屋」と明暗を分けた。吉野家は9月の牛鍋丼(280円)に続いて、11月には「牛キムチクッパ」(同)と低価格の新商品を相次いで投入したが、効果が持続せず、独り負けの状態。巻き返しに向け、12月からは新たな具材を発売したが、復活への展望は開けていない。【浜中慎哉】 「牛鍋丼は牛丼より100円安く、豆腐など具材も多くてヘルシー。最近は牛鍋丼ばかりで牛丼を食べなくなった」。9日昼、吉野家の有楽町店(東京都千代田区)で牛鍋丼を食べた都内の会社員男性(61)はこう話した。店内に入りきれない客もいて混雑している半面、牛鍋丼ばかり注文されている印象だ。 吉野家は、ライバル2社が牛丼値下げに踏み切った昨年12月以降苦戦し、牛肉の使