ホテルなどで次々に発覚する食材偽装。「牛脂注入肉」などを使いながら、加工肉であることを示さずビーフステーキなどと表示していたことが問題となっている。そもそも牛脂注入肉は、どうやって作られるのか。製造現場を見た。■所要時間、わずか1、2分 ほとんど脂のない赤身の肉が、剣山のような機械を通り抜けると、霜降り肉のような姿に変わっていた。その間、わずか1、2分。 ここは牛脂注入肉の製造工場。匿名を条件に、東日本の食肉加工業者が取材に応じた。 赤身肉の塊がベルトコンベヤーを流れていく。主に豪州産とニュージーランド産の出産を経験した「経産牛」を原料に使うという。 剣山のような機械は「インジェクター」と呼ばれる。下向きに長さ20センチほどの針が200本以上あり、下を通る肉を突き刺しては上がる。この動作を肉が通るたびに整然と繰り返す。突き刺したときに注入される牛脂は国産牛の脂を精製したもの。風味がよくなる
近鉄グループの高級旅館「奈良万葉若草の宿三笠」でも、牛脂注入の“霜降り肉”が使われていたことが発覚した。 会席料理の「和牛朴葉(ほおば)焼き」(6300円)も、子ども向け「バンビ御膳」(3150円)の「和牛ステーキ」も、結構な値段を取りながらインチキだった。 和牛でなくても、せめて国産牛(国内で一定期間飼育)と思いきや、これが格安の豪州産冷凍物。こんな旅館が3年連続でミシュランガイドの優秀旅館に掲載されたのだから、客は詐欺に遭ったも同然だろう。格付けなんてアテにならないのだ。 では、加工牛はどう見分けるのか? 満天の星のごとく、赤身全体に白い脂の粒がちりばめられているのが牛脂注入肉の特徴。本物は、切り口のサシ(脂肪)の入り方がおおむね線状。だが、火を通すと、脂が溶け出して見分けが難しくなるから、「最高の霜降り」とヌカ喜びする客が出てくる。牛脂注入肉は、脂が舌や喉の奥にまとわりついてし
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