長年親しまれてきた鎮守の森を、住人たちの熱意が守った――。吹田市内にある神社の森で2年半前、突然明らかになったマンション建設計画。宮司や地域住民らが協力し、反対運動を進め、この冬、建設中止を勝ち取った。 吹田市垂水町1丁目の垂水神社。境内を取り囲む森は、神社の所有部分だけで約1万8千平方メートルある。森には、幹回りが2メートルを超えるクスノキや湧き水があるほか、春はサクラ、秋はモミジが色づく。まとまった緑は周辺になく、境内を散歩する地域の人にとっては心を穏やかにしてくれる貴重な存在だ。 2011年4月、森の一角の私有地、約千平方メートルで地上3階、地下2階のマンション計画が明らかになった。兵庫県内の業者が神社に工事への協力を求めた。