誰もが当たり前に使っているのに、実はすっごい曖昧なもの。 定義がしっかりしているようでいて、実は簡単に変化する適当なもの。 そして言うまでもなく、魅力的でおもしろいもの。そんな「ことば」の多様性と再会できる1冊、佐藤信夫著『レトリック感覚』を読みました。 レトリック感覚 (講談社学術文庫) 佐藤信夫 講談社 2018-01-12 Kindle Amazon 楽天ブックス 振り返ってみればここ数年、「言葉の使い方」や「文章の書き方」を紐解いた本を何冊も読んできた自分。でも、そんななかでスルーしていたのが、この「レトリック」でした。 ……だって、これ、なんとなく小難しいイメージがありません? なんだか、文芸部に所属する理屈系文系男子が、眼鏡をクイッと上げながら説明してくれそうな感じ。基本的な作文技法や論文の書き方とは異なる範疇にある、専門的な言語表現という印象が強かったんですよね。 それこそ、