米ワシントンのホワイトハウス・ローズガーデンで、パリ協定からの離脱を表明するドナルド・トランプ米大統領。パリ協定が履行されても温暖化の抑制効果は限定的であると、ジェスチャーを交えて主張した。(写真:AP/アフロ) それは米国の大統領が「G7(主要7カ国)の悪役」どころか「地球の敵」になった日だった。6月1日、ドナルド・トランプ米大統領は地球温暖化防止のためのパリ協定からの離脱を表明した。地球の危機を打開するためようやくまとまったこの国際的枠組みを、覇権国であり第2の温暖化ガス排出国である米国が破るというのである。 欧州首脳はじめ世界各国は「歴史的過ち」と強く反発した。米国内でも環境意識の高い州や市が批判、産業界にも反対が渦巻いた。「地球温暖化はまやかし」と考えるトランプ大統領の行動は米国の国際信認を失墜させ、地球の将来を危険にさらしている。 「地球の危機」に国際社会から批判集中 米国の大統