1. 『金曜日』の最新号(2009年10月23日号)に、月1回連載「佐藤優の歴史人物対談」の第10回目が掲載されていた。この連載は、佐藤が、「歴史人物」に架空のインタビューを行なう、という形式で書かれているものである。 そして、今号の「歴史人物」は、和田洋一(1903年―1993年。ドイツ文学者)だった。これは、この連載のこれまでの登場人物からすれば、かなり異例である。これまでの登場人物を並べてみよう。 第1回:マルクス 第2回:エンゲルス 第3回:マルクス 第4回:ムッソリーニ 第5回:ラッサール 第6回:ルクセンブルク 第7回:ベルンシュタイン 第8回:マサリク 第9回:ニーバー そして第10回が和田洋一である。ネームバリューの点でも、唯一の日本人という点でも、唐突感は免れないだろう。普通の読者ならば、なぜ和田なのか、と思うはずである。 一応、今回のこの「対談」には、編集部によるものか