2016年3月29日 著作権裁判契約エンタメライブ 「改めて、パブリックドメイン論。『三文オペラ』上演中止問題を契機に」 弁護士 福井健策 (骨董通り法律事務所 for the Arts) 以下は、日本劇作家協会会報『ト書き』連載中の「演劇×著作権×法律」コラムですが、問題への関心の高さに鑑み協会の了解を得て加筆掲載します。 宮崎県立芸術劇場の、『三文オペラ』上演中止問題から始めよう。 既に報道されたのでご存知の方も多いだろうが、事案の概要はこうだ。九州中から選ばれた俳優により宮崎県立芸術劇場で上演(その後、神奈川・福島など巡回)予定だったブレヒトの代表作『三文オペラ』が去る2月5日、初日開演10分前に満員の観客を前に「権利関係者との調整がつかなかった」という理由で中止を発表されたというもの(「『三文オペラ』公演中止のお詫びとお知らせ」)。 10分前の全面中止となると、(舞台上の事故やコン