理化学研究所から、明るいニュースが飛び込んできた。高橋政代プロジェクトリーダー(53)率いる理研などのチームが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った細胞を人体に入れる、世界初の臨床応用を実施したのだ。小保方晴子氏(30)のSTAP細胞論文不正問題で、理研やリケジョ(理系女子)の権威は地に落ちたが、それを救ったのもリケジョの力だった。 手術を行ったのは、理研と先端医療振興財団のチーム。「滲出型(しんしゅつがた)加齢黄斑変性」という目の難病を患う兵庫県の70代女性に対し、自分の皮膚細胞に遺伝子を導入して作ったiPS細胞を使って網膜色素上皮細胞を作り、シート状に加工して病変部に移植した。 滲出型加齢黄斑変性は、視野がゆがんだり暗くなり、失明につながる病気で、国内の患者数は70万人以上。高橋氏は12日の記者会見で「1例目なので大きな一歩と思いたい」と笑顔を浮かべた。 高橋氏は1986年に京都大