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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (15)

  • シリコンバレーの「核の冬」 - 池田信夫 blog

    Web2.0バブルが終わった。グーグルの大成功をみて多くの企業が参入したが、結局ものになったのはグーグルだけだった、とEconomist誌は総括している。それはビジネスとしては「2.0」なんかではなく、ドットコム・バブルと同じ広告モデルしかなかった。そして景気の影響をもっとも受けやすい広告ビジネスは金融危機で消滅し、また「核の冬」がやってきた。 資主義の条件は持続的に利潤を生み出すことだが、その基盤となっている市場メカニズムは利潤をいつぶす。マルクスもいったように、「商品経済は偉大なレヴェラー(水平主義者)」なのだ。利潤率は傾向的に低下し、国内で鞘が取り尽くされたあとは植民地から、そして植民地が独立するとグローバル資主義による「経済植民地」から、それも限界が来ると金融資主義によって・・・と絶えず新しい利鞘を追求する自転車操業が資主義の宿命だ。 しかし利潤は市場や情報の不完全性

    pinball-1973
    pinball-1973 2009/03/21
    「電話がインターネットになってNTTは不幸になったが、ユーザーは幸福になった。たぶん幸福を計測する別の指標が必要なのだろう」
  • 90年代の日本の勝利? - 池田信夫 blog

    先日の「総理にきく」で麻生首相がこう答えていた:財政出動やったことをボロカスにたたかれましたけれども、今になって、日がやってきたのは、あれは考えてみれば、彼らの勝利だったんだと言って、マーティン・ウォルフなんていう有名な人がウォール・ストリート・ジャーナルだか、ファイナンシャルタイムズに記事を書く。そういったとこでなっているとは思いますよ。Martin WolfはFTの有名な記者で「ウルフ」と読むんだけど、まぁそれはいいとしよう。問題の記事は、クルーグマンなどにも引用されて、日の90年代についての誤った教訓を世界に広めているようだ。麻生首相まで変な自信をもっても困るので、訂正しておこう。 まず致命的な問題は、ここでウルフが依拠している唯一の文献が地底人のだということだ。それを真に受けて、ウルフは「バラマキ財政がなかったら日のGDPは大恐慌になっていただろう」などと書いているが、図

  • バブルはまた必ずやってくる - 池田信夫 blog

    今のようなとき、政治家も財界もかさにかかって「果敢な金融緩和をしろ」と中央銀行に求めるインフレバイアスはどこの国にもみられるが、異常な金融政策は異常な結果をもたらす。中央銀行の独立性が定められているのは、こうした政治的圧力から守るためだ。 日の1980年代のバブルも、1985年のプラザ合意以降の円高不況に異常な金融緩和でのぞんだことが原因だった。日銀が1989年に利上げしたとき、橋蔵相は「利上げを撤回させる」と恫喝した。このためバブル崩壊後も、日銀はすぐ利下げしなかった。ふたたび上げるとき、政治家との争いになることを恐れたからだ。これが誤りだったことは今からみれば明らかだが、その原因をつくったのは政治家のインフレバイアスなのだ。 1997年のアジア経済危機と翌年のLTCM破綻のあと、FRBは大量の流動性を供給し、それを1年以上続けたことがITバブルに火をつけたといわれている。そして

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    pinball-1973 2008/12/27
    自分もそうだと思っているし、あちこちで多くの人が市場に供給された金がどこかで次のバブルを起こすと言っているので、逆に起きない可能性も考えたくなってきた。
  • 所有という幻想 - 池田信夫 blog

    零士氏がセリフの「盗用」をめぐって起していた裁判で敗訴した。彼がpro-copyright派の愚劣さを世の中に示した功績は大きいが、この事件もいろいろなことを考えさせる。 松氏の脳内では、すべての情報は作者が所有しているのだろうが、これは著作権という誤った制度が生み出した幻想だ。情報の複製が「盗用」なら、彼の「銀河鉄道999」は宮沢賢治の盗用だ。そもそもヴィトゲンシュタインが指摘したように、自然言語の文法も語彙も社会的に共有されているのだから、私的言語はありえない。複製や共有を盗用というなら、すべての表現は盗用なのだ。 トヨタの没落も単なる販売戦略の誤りではなく、「自家用車」という幻想の終わりの始まりではないか。私は免許をもっていないが、今まで不自由したことはほとんどない(例外はシリコンバレーでタクシーがなかったとき)。少なくとも日の都市では、タクシーですべて用は足りる。わざわ

  • 情報通信政策を動かすレコード会社のロビイスト - 池田信夫 blog

    小倉秀夫氏が、岸博幸氏のコラムを批判している。最初は「CDやDVDをレンタル店から安価で借りてデジタルコピーして、ネット上で違法配信するのが日常茶飯事になった」という岸氏の事実誤認の指摘だったが、彼がエイベックス・グループ・ホールディングスの非常勤取締役に就任したことがわかり、問題は政治的な様相を帯びてきた。 岸氏は、もとは経産省の官僚で、竹中平蔵氏の秘書官となり、彼が総務相になってからは、その通信政策は実質的に岸氏が仕切った。去年の「通信・放送懇談会」を迷走させた張人は彼である。竹中氏が辞任してからは、岸氏は慶応大学の准教授になったが、今でも総務省の「通信・放送問題に関するタスクフォース」のメンバーとして通信政策を取り仕切っている。 岸氏は、前回のコラムでは「アーチストの権利を制限したら創造意欲が低下する」と主張しているが、小倉氏が指摘するようにアーチストは契約によってレコード会社

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    pinball-1973 2008/12/10
    岸博幸のうさんくささを指摘。「レコード会社のロビイストが、慶応大学の看板に隠れて総務省の情報通信政策に大きな影響を与えることが許されていいのだろうか」
  • シュンペーターの逆説 - 池田信夫 blog

    今週のASCII.jpにも書いたが、朝日新聞が初の赤字に転落したのは、業界にはけっこう衝撃的なニュースだったようだ。これは欧米ではすでに起こっていることで、遅かれ早かれ避けられない。日では再販制度で守られてきたぶん、独占利潤の崩壊が遅れただけだ。 では新聞サイトで購読料モデルが成り立つかというと、Economistのような高級紙(誌)かポルノサイト以外は無理だろう。広告モデルも、Facebookでさえ赤字だ。"Groundswell"にも書かれているように、Web2.0は既存企業を補完するビジネスで、それ自体で黒字になることはむずかしい。今どき『情報革命バブルの崩壊』とかいう恥ずかしいタイトルのを出す評論家もいるが、そんなことはとっくにわかっている。問題は、そこから先の「情報が無料に近づいてゆくウェブで、ビジネスは成り立つのか」ということだ。 実は、これは資主義はじまって以来の難

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    pinball-1973 2008/11/27
    シュンペーターの逆説。競争が激しいほどイノベーションは活発になる。「イノベーションにとって重要なのは、事後的な報酬の確実性ではなく、事前の自由度の大きさ」
  • 警察ネタの過剰 - 池田信夫 blog

    ここ数日、各社のトップニュースは元厚生事務次官殺害事件の関連で埋まっているが、もううんざりだ。最新のニュースでは、犯人らしき人物がTBSのサイトに「今回の決起は年金テロではなく、34年前に保健所に殺されたペットの仇討ちである」などと書いており、ただの精神異常者の犯行である可能性が強い。 海外から帰ってきて日テレビを見ると、いつも違和感を抱くのは、こういう警察ネタの扱いが異様に大きいことだ。たとえばBBCのサイトを見ればわかるように、世界の大手メディアのヘッドラインは政治・経済・外交というのが常識で、殺人事件がトップに来るのはSunのような大衆紙だ。 ところが日では、NHKも警察ネタだらけ。これはメディアの組織内事情もある。海外では基的に高級紙は警察ネタを取材せず、通信社の配信した情報から重要なものがあれば取材する。ところが日では各県警や(東京の場合)方面部に大量の記者を張り

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    pinball-1973 2008/11/24
    警察ネタ増加の構造。特オチ嫌いの体質が基にある。
  • 池田信夫 blog 古舘伊知郎氏が「格差社会」を語る気味悪さ

    「報道ステーション」はスタジオのしゃべりがうるさいのでほとんど見ないのだが、夜遅いときは、しかたなく見る。きょうも途中まで見たが、耐えられなくてテレビを消した。GDPの速報値のニュースなのだが、彼のコメントは私の記憶ではこうだ:景気が悪くなると、まっ先に切られるのが非正規労働者です。こういう人々の痛みを私たちはどこまで知っているのでしょうか。古舘氏がそれを知らないことは間違いない。推定年収1億円以上の彼が、非正規労働者の痛みを知ることは不可能だ。知らないことは罪ではない。競争の激しい芸能界でここまで生き残った彼の話術は(私はきらいだが)、それなりに価値があるのだろう。しかし自分を弱者の立場に置いて、格差社会を嘆いてみせるのは偽善である。 その前のNHK「ニュースウォッチ9」も、最近は見なくなった。田口キャスターになってから、意識して「古舘的」演出に変えたからだ。どうでもいい後説(あとせつ

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    pinball-1973 2008/11/18
    後説禁止のドライな演出は日本で受けない。スタジオでみのもんたが大げさに憤ってみせるコメントを視聴者は喜ぶ。池田はNHK時代「典型的視聴者は50歳の専業主婦で高卒と思え」と教わったという。
  • ガラパゴス経済学と最底メディア - 池田信夫 blog

    きのう海外に住んでいる官僚OBと話したら、「アジアから見ても、日のメディアのレベルは中国以下だ」と嘆いていた。たしかに今どき金子勝氏や内橋克人氏のようなマルクス主義者が堂々とテレビに出てくるのは、北朝鮮ぐらいのものだろう。先月、岩波書店から出た『現代経済学』というはマル経の教科書で、著者の一人は元革マルの活動家だ。 経済誌になるとさすがにマルクス主義者は出てこないが、こっちでは地底人が大活躍だ。さらに困ったことに、経済誌の編集者になるとIS-LMぐらいは知っているので、そういう学部レベルの知識で「構造改革は清算主義だ」とか主張する「リフレ派」を「学問知」と取り違える傾向が強い。要するに日は、地底人=ケインズ派と最底人=マルクス派の闘う、経済学のガラパゴス島なのである。 同じように日のメディアを格付けすると、地底メディアは内橋氏に「ワーキングプア」を語らせるNHKや、金子氏をレギ

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    pinball-1973 2008/10/11
    「メディアの質はイデオロギーではなく、記者がどれだけ組織の論理から自立しているかで決まる」だけ卓見。全体の論調は無茶苦茶。
  • Back to the 90\'s - 池田信夫 blog

    アメリカの状況をみていると、日の90年代を違った形で後追いしているようにみえる。いわば日は、映画"Back to the Future"で未来にきたようなものだから、これからどうなるかも予測できる。今度の下院による金融危機対策の否決は、ドラスティックではあるが、日のバブル崩壊初期に起きた拒否反応とよく似ている。 1992年の夏、私はNHKスペシャル「追跡・不良債権12兆円」という番組を担当し、金融業界の関係者に取材していた。その実態はこの公式の数字(グロスの額)よりはるかに悪く、公的資金の注入は避けられないというのが彼らの一致した見方だった。宮沢喜一首相は、この年の軽井沢セミナーで、興銀の中山素平などが設立に動いていた担保不動産の買い上げ会社に「公的資金を注入することにやぶさかでない」とのべた。 このとき関係者がみんな心配していたのは、日債銀が関連ノンバンクで1兆円を超える不良債

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    pinball-1973 2008/10/01
    1992年夏に「追跡・不良債権12兆円」を制作していた著者からの証言。アメリカは「日本の90年代を違った形で後追いしている」。
  • 霞ヶ関の2ちゃんねらー - 池田信夫blog

    書の112〜4ページに、話題を呼んだ怪文書公務員制度の総合的な改革に関する懇談会報告書への素朴な疑問」の全文が出ている。おもしろいのは、最初に出ている(スペースも最大の)論点、「政と官の関係」だ。見出しには「なぜ集中管理が必要?国会議員が情報を得られなくなり、かえって『官僚主導』になるのではないか?」と書かれ、「政官の接触の集中管理」の禁止を彼らがもっともいやがっていることがよくわかる。 著者によれば、これを書いたのはなんと当時(今年3月)の行政改革推進部事務局に総務省から出向していた次長だったという。公務員制度改革の責任者が、渡辺大臣の方針を全面的に否定する怪文書を流していたのだから恐れ入る。彼は今年の異動で省に戻ったが、この怪文書の著者であることは霞ヶ関に知れ渡っていたので、増田総務相の怒りを買って左遷されたそうだ。 民間の常識では考えられないが、霞ヶ関や永田町にはこういう

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    pinball-1973 2008/09/30
    官僚が匿名であり、それを隠れ蓑に権力を握る構造をある怪文書の書き手である総務省官僚について紹介するところから書き起こす。
  • 大本営発表という権力 - 池田信夫 blog

    今度の騒動では、日経新聞以外のすべての全国紙・夕刊紙・週刊誌・在京キー局が(直接あるいは電話で)取材に来た。その取材と報道を比較すると、おもしろいサンプル調査になった。 全国紙は、私の話を「裏を取る」材料に使っただけで、談話として使ったのは夕刊紙とJ-CASTだけだった。ただ、これがヤフーニュースのヘッドラインになったため、27日には当ブログへのアクセスが激増し、1日30万PVを記録した。テレビ局は、5社ぐらい撮影に来たが、放送で使ったのは日テレとTBSとテレ朝ぐらい。 おもしろいのはフジで、「サキヨミ」からスタジオ出演の依頼があったので、「私はかまわないけど、私はテレビ業界の天敵なので、前に出演スケジュールを決めてから『上からNGが出て・・・』とドタキャンされたことがあります。上司に確認してください」と答えたら、同じ結果になった。 新聞社はよく「戦時中は大営の検閲や紙の配給のため

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    pinball-1973 2008/08/30
    売れる記事を書くということ。迎合、おもねり、大本営という言い訳。
  • 教育テレビは民間に売却を - 池田信夫 blog

    朝日新聞で、NHKが子会社を介して政府広報番組を放送しているという話が問題になっているが、何で今ごろ?という感じだ。私が勤務していたころから、こういうタイアップは当たり前で、NHKスペシャルの提案表には「タイアップ先」という欄があり、そこに何か記入しないと提案が通らなかった。 もう時効だから具体的にいうと、20年ぐらい前に「東京フォーラム」という2時間番組を教育テレビで毎年やっていた。これは国際経済の問題をテーマにして、著名なゲストを呼ぶほか、衛星中継で世界を結んだりして数千万円の予算のかかる番組だったが、制作費はNHKエンタープライズを経由して100%野村證券が出していた。もちろん放送ではスポンサーの名前は出せないので、会場のNHKホールの上には「野村證券東京フォーラム」という大きな看板を掲げ、カメラはその看板を切って撮影するというきわどいやり方だった。 あるとき大前研一氏(当時マッ

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    pinball-1973 2008/08/23
    「NHKと広告番組の古い実例。野村が数千万円の制作費を全額出していたことの証言有り。大前研一がその実情を知り筋を通した話。
  • 「ストリートビュー」騒動をめぐる誤解 - 池田信夫 blog

    グーグルの新機能「ストリートビュー」が、論議を呼んでいる。上の画像はわが家の近所だが、確かに驚異的な細密さだ。私は意に介さないが、これを「気持ちが悪い」という人がいるのも事実だろう。先行してサービスが始まった海外でも、訴訟などが起こっている。これに対して「自分の家を映すのはやめてくれ」というのは自由だが、法的根拠はない。風景は個人情報ではないからだ。まして「サービスをやめろ」などというのは暴論である。 ただ高木浩光氏の報告によると、総務省の「通信プラットフォーム研究会」で、グーグルの担当者が「日では、名前を表札に書いている。わざわざ自分の名前を公道に出しているわけだから、プライバシーなんて気にしていない」と発言したようだ。こういう無神経な発言は、火に油を注ぎかねない。そもそも名前がプライバシーなのか、というのが大問題だからである。ASCII.jpのコラムにも書いたが、私は個人情報保護法

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    pinball-1973 2008/08/12
    個人情報保護法は過剰規制につながり企業ではUSBメモリすら使えない。権利のインフレはいったん起こると元に戻らない。プライバシーの範囲を広げすぎては著作権法のように後戻りが効かなくなるだろう
  • B-CAS社の罪は「退場」では消えない - 池田信夫 blog

    B-CAS社の浦崎宏社長が、メディアに初めてカミングアウトし、「不要と言われれば退く覚悟はできている」と語った。さすがに危険が身に迫っていることを察知したのだろう。しかしB-CAS社は不要であるばかりはなく、違法なのだ。何の法的根拠もなく民間企業が電機メーカーを「審査」し、外資系メーカーを排除し、PCボードの製造を妨害し、おまけに出荷停止処分までやるのは、明白な独禁法違反である。 それはNHK経済部の記者として経済犯罪を取材した浦崎氏が、一番よく知っているはずだ。だから「B-CASが不要となった際,いつでも会社をたためる」という言葉も出てくるのだろうが、会社をたたむだけで違法行為は帳消しにはならない。これまで3000万台ものデジタルTVに違法なカードを義務づけることによって上げた数百億円の売り上げは、返還すべきだ。そして独禁法違反と判断されれば、課徴金や懲役刑も待っている。 さらに問題

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